それ資産じゃなくて負債ですよ? これからの不動産相続。
この間、祖母の土地・建物を子ども3人で相続するように手続きをしてきました。
私は正直嫌だった。もしかしたら、両親の家を私が相続する可能性もゼロではなかったし、そのときに、祖母の不動産がついてくるのは避けたかったから。
でも、子ども3人(母・叔父・伯母)がそうしたいというんだから仕方ない。所詮は他人の資産だ。私には関係のない話っちゃ関係のない話。
ただ、子どもに「自分の土地や建物、そして金融資産を残したい」って考えている人は考えておいてほしい。自分の親の資産って本当に必要かどうか、を。
不動産は負動産。
不動産がお宝だった時代は終わった。人口減少著しい現代においては不動産は負の資産だ。
もちろん、東京など都市や中心部の話は別かもしれない。
私が住む田舎では明らかなことだ。
不動産は一度所有してしまうと、そのあと利用するしないに関わらず税金を払う必要がある。固定資産税だ。住宅が存在する土地だと固定資産税は6分の1になっていたのも過去の話となった(あれ、まだだっけ?)。住宅があろうとなかろうと、土地を所有すればそれだけで固定資産税をフルに支払う必要がある。
ちなみに、これは自宅などの場合。
賃貸マンションなどがあるともっと悲惨だ。固定資産税のみならず、その管理が必要になる。減る入居者。けれど出ていく管理費。ここ数年は相続税対策の名目で多くの賃貸マンションが建てられた。このブームを煽った住宅メーカの罪は重い。
一旦、不動産を所有すると捨てられない。売るか、あげてしまうか。引き取り手がいたらいいのだけど。
「所有権の放棄」とかあるけどね。前例はないよ。
一番いいのは、相続放棄してしまうこと。今後、売ったりあげたり住んだり出来なさそうな土地は引き受けないようにすること。これに限る。
土地はいらない! でもその他のものは欲しい!
土地や家はいらないにしても、その他の金融資産は欲しいという場合、そういう場合は単純に相続を放棄するわけにはいかなくなる。相続放棄は全部放棄しないといけないからね。
「家はいらないけど、預貯金はもらうよ」なんてことは許されない。
そもそも、その家は、親が住んで利用したものだから、親のお金で最後まで面倒をみるべきだろう。それが道理だ。お金だけもらって、残りのゴミの処分は他人任せなんて都合のいい話があるものか。
さて、それは感情論であって、実のところ抜け道がある。
それを以下で紹介しておく。
欲しいものだけ受け取る抜け道。
いらない不動産は捨てて、欲しいものだけ処分手に入れる相続方法。
1・生命保険を活用する。
生命保険の受取は、その人固有の権利となるので、相続財産ではありません。つまり、相続放棄しても受け取れるということ。
欲しいものが金銭だけなら、生命保険で受け取るのが一番いいでしょう。
500万円までの非課税特典があるので、有効活用したいところ。
2・遺贈してもらう。
遺言書で遺贈ができます。
遺贈だと、相続とは別扱いになるので、相続放棄しつつ、欲しいものだけ受け取れる。
Aという不動産はいらないけど、Bは欲しい、なんて場合には、Bだけ遺贈してもらいましょう。
こちらは、生命保険とは違い、不動産の一部を受け取りつつ相続放棄できるのがいいところ。
注意点としては、遺言書に「遺贈する」と書くこと。「相続させる」って書いちゃうと相続になってしまうので、結局相続放棄したら受け取れない。
3・生前贈与してもらう。
これも狙ったものだけ受け取るのにはいい方法。
生前贈与も、相続放棄しても欲しいものは受け取っておくことができる。
この3つの手段で、欲しいものは受け取り不要なものは捨てる(国庫帰属にする)ことができる。
ただ、なにもない土地、例えば、畑や田んぼなどを捨てるのはいいとしても、自分たちの親の家をそのまま捨てるというのは、やはりどうかと思う。だって、その家は国庫に帰属したあと、国家がお金を出して撤去しなければならない負の遺産となるわけだ。自分たちの世代で手におえないから、全部放棄するのはいい(仕方ない)としても、「家はいらない。壊しておいてね。でもお金はもらっておくね」というのは、一市民としてあまりにも情けなくないか。
そんな感じで子どもたちが途方にくれないように、親は自分の引き際、自分の資産をどうすべきかをしっかり考えて計画しておいてほしい。もちろん、私も人の親なので例外ではない。きちんと自分の後片付けをする。その準備をしておこうと思う。
ということで、空き家解体ローンのお話はこちら。
低金利で収益性の低い事業を行う銀行がいっぱいあるもんですねえ(´・ω・`)
以上。