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D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

マイナス金利は失敗するんじゃないかと考える理由。

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マイナス金利導入発表から、10日ほど。

導入はまだにも関わらず、銀行各行は準備に余念がありません。
預金金利引き下げとか、預金金利引き下げとか、預金金利引き下げとか。

地銀なんかはマイナス金利が結構な負担になるようですね。
合従連衡が進めば、思い通りというところでしょうか。

さてさて、インフレ促進剤として決定されたマイナス金利ですが、結局失敗に終わるだろうと考える理由を以下に挙げていきます。

1・需要は促進されない。

素朴に思うことなんですけどね。
黒田総裁が今後マイナス幅の拡大がありうると認めた今、「じゃあ、低金利だから借りようかな?」なんて思うか? と訊かれるとNoじゃないんでしょうか。
だって、よりマイナスになるんですよね?
じゃあ、待っていたらもっと安くなるかもしれない。
待ってみようかしら。

これって、インフレとは全く逆のデフレのマインドですよね。

インフレは、待っていると高くなるから先に買おうとする。その意味で需要を促進する。
マイナス金利は待っていると安くなるから待ってみようかな、となる。
需要の先延ばし。
デフレマインドの醸成。

 

 

2・今買わない人がこれ以上安くなったからと言って買うか?

現在住宅ローン金利が変動で0.5%台。
これで買わない人って、多分家が必要ない人だよね。
家を買うタイミングじゃない人。

家を買うのはもちろん、金利も重要なファクター。
けれどもそれ以上に、ライフプラン、ライフステージが大切。
その他の外的状況が大事。
それなのに、「金利さえ下げれば、みんなお金を借りてでも買うだろう」というのは、あまりにもテクニカルなことしか考えなさすぎなんじゃないでしょうか。
住宅だけじゃないよね。

 

 

3・債務は拡張期と収縮期がある。

「お金を借りてね~」と旗を振ったとしても、債務(借金)は拡張期と収縮期がある、というのは個人的な感覚としてもわかるのではないでしょうか。
お金を借りたあとは返済をしなければならない。
その間は財布のひもを引き締めなければいけない。

そもそも景気は、その債務の膨張と収縮のサイクルを織り込むものです。
昨年8月あたりの中国の変調からこちら、サイクルとしては収縮時期に来ているのではないでしょうか。
そんな中、無理にカンフル剤を打っても、逆に疲れて病を重くするだけ。
多少の調整期を穏やかに過ごす方法を考える必要があるのではないでしょうか。
まあ、日銀からは違う風景が見えているのかもしれません。
家計と企業の債務負担率などを見てみる必要はあると思いますが。

こういうことを考えてみると、マイナス金利というのは、純粋に通貨政策として取り入れられた政策に過ぎないのだろうな、と考えられます。
円安誘導。それ以外の効果はおまけ。
そして、欧州がマイナス金利を導入していること。日銀がさらにマイナス金利の深度を下げていくことを考えると、通貨戦争の様相を呈していることは誰の目からも明らかでしょう。

円安のプラスメリットが国内の負担を帳消しにすることができるのか。
他国との通貨競争がどのような事態を引き起こすのか。
そりゃあ、色々と信じたいところですが、なんかあんまりいい予感はしないんですよね。

ということで以上。