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D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

長期金利がマイナス金利ってどういうこと?日銀の金利のマイナス化とどう違うのか、について解説していく。

マイナス金利
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今日、ついに長期金利がマイナスとなりました。

長期金利というのは、10年物国債の利回りのこと。
この10年物国債は住宅ローン固定金利の基準値ともなる数字です。
ということは住宅ローンもマイナス金利になるの?? なんて色々思惑が先走ってしまいそうですが、ここではその長期金利がマイナスになるとはどういうことなのか解説をしていこうと思います。

 

「この間、日銀がマイナス金利にするって言ったじゃん? 長期金利のマイナスって同じことじゃないの?」
こう混乱している人も多いようです。


ということで、この間日銀が発表したマイナス金利と今回の長期金利マイナスがどう異なるのかを中心に解説していきます。

 

日銀発表のマイナス金利とは?

先日日銀が発表したマイナス金利とは、銀行が日銀に預けているお金につく利息がマイナスになりますよ~ということです。
銀行は日銀にお金を預けているわけですが、そのお金の保管料をこれからは払ってもらいますよ~といった発表だったわけです。

これは銀行には衝撃でした。銀行はこれからはあまりお金をお客さんから預からないように、そしてなるべくお金を沢山お客さんに借りてもらわないといけないようになったわけです。
*実際には日銀にあるすべてのお金がマイナス金利となるわけではありません。

 

 

長期金利のマイナス化とは?

長期金利は10年物国債の利回りのことです。
国債(だけではなく債券全般)の利回りは2つの要素によって決定されます。
購入価格とその債券につくクーポン(利率)です。

クーポンは当然ながらプラス。(これも実は最近は当然とも言い切れません。)
で、問題となるのが購入価格。
クーポンがいくらプラスでも、購入価格が非常に高かったら?
購入価格が高い場合、売却価格(満期の償還価格)と比較して損をする可能性があるわけです。
ためしにクーポンが1%として、購入価格が102円、償還価格が100円としましょう。満期まで1年です。
一年間その債券を保有したとして、もらえる利息は1円。(クーポンが1%なので)
でも、102円で購入しているので、100円で手放すとマイナス2円の損。
利息と合わせると、マイナス1円の損です。
ということは約マイナス1%の利回りとなるわけです。
*実際には、もっと小さい%ですが、計算がメンドウなので簡単な数字にしました。

 

債券のマイナス金利。それは、その債券を保有することによって投資家に実質的な負担が生じる、ということなのです。

 *損をしても国債を保有するインセンティブがあります。取引の担保にする。など。
また、日銀の口座に預けていてもマイナスになるのであれば国債のマイナスの幅の方が小さい、ということもあります。

 

どうして長期金利がマイナスとなったのか?

長期金利のマイナスのメカニズムを見てみると、どうして長期金利がマイナスとなるかわかるのではないでしょうか。
そう。国債価格が高騰したからですね。
10年物国債の人気が急上昇したわけです。

 

どうして国債の人気が急騰したのか。それは世界的なリスクオフ、リスクが高い株式などの資産から債券などの安全性が高い資産に投資家の資金がシフトしたからです。
背景には世界経済の動揺があるというわけなのです。

 

 

長期金利がマイナスになるのは珍しいこと?

日本よりも先にスイスが10年物国債金利マイナスの実績を作っています。
ただ、スイスは日本よりも市場が小さいこと、また、スイスは通貨戦略のために意識的にマイナス金利を導入していることを考えれば、今回の日本の長期金利マイナスのショックを推し量ることができる前例とは言い難いのではないでしょうか。

 

さてさて、ついに長期金利もマイナス化。
銀行や保険会社などの収益機会はより少なくなっていくことでしょう。
これ以上長い年限の国債がマイナスになることがあれば、より一層厳しい状況になることは間違いありません。
住宅ローンなどのローン金利にポジティブに働くか。それは、マイナス金利で銀行の経営体力がどのくらい毀損されずにいられるか、にかかってくるでしょう。

 

ということで以上。