D'ac

元銀行員。子育てられ中。

1%引き下げで満足しちゃうの? もっと攻めちゃいなよ。

先日、お師匠さんから相談を受けました。
どうやら、住宅ローンの借り換えをすべきかどうかということ。
で、金利訊いてみると、3.2%…高い!!

 

そんな銀行孝行してないで、さっさと借り換えてくださいよ! もしくは引き下げ交渉だ! 行け!
みたいな話をして数か月経過。そして、先日やっと、引き下げ交渉をしてきたようです。
数か月経過したのは、「マイナス金利でもっと金利が下がるはず」と目論んだお師匠さんの慧眼です。本当、素晴らしいですね。師匠のもくろみ通り、この数か月、銀行はどんどん金利を引き下げています。

 

銀行に相談したところ、1%引き下げて2.2%になるとのこと。スムーズに相談も進んだようで、めでたしめでたし…。

 

 

いや。ちょっと待ってください。
1%でいいんですか? 本当にそれでいいんですか?
折角、マイナス金利になるまで待ったのに! 高い利息を払ってまで待ったのに!!

 

 

現在の10年固定の金利水準。

今現在2016年5月の10年固定の金利は以下のようになっています。

三菱東京UFJ銀行 0.9%
三井住友銀行    0.9%
みずほ銀行     0.8%
りそな銀行     0.85%
三井住友信託銀行  0.55%

最優遇なので、この金利水準まで持っていくのは難しいかもですが、大体このあたりのラインを目指したいところです。

とは言っても、手数料込みでどのくらいの負担になるか、いまいち把握できないってこともあるので、大体のラインを示す方法を伝授します。

 

 

金利引き下げの場合の総負担と借り換え後の負担の概算を出す方法。

じゃん。
フラットの返済額の計算ページです。丸投げ。

別に他の銀行のシミュレーションサイトでもいいです。

www.flat35.com

借入希望額を記入。残高、ですね。1000万円くらい?

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返済期間を記入。ここでは、一応15年にしておこう。

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適用金利を記入。

 

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一つは今の金利。3.3%
もう一つは引き下げ後の金利2.3%。
最後に、最優遇の0.55って言いたいところだけど、あんまり無理しないラインで0.8%。
で、計算。

 

すると、3.2%であれば、総返済額1261万円。2.2%であれば1175万円。0.8%であれば、1062万円という数字が出るわけです。

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1261万円―1175万円=86万円。これが、金利引き下げの効果。ここから、1万円くらい条件変更手数料が取られるとしても、85万円くらいのメリットはある計算に。
借り換えで0.8%にできるのであれば、1175万円-1062万円=113万円。
借り換えの手数料は銀行によって違うので、なかなか言いにくいのですが、一番高いところで登記費用とか色々含めて50万円とします。113万円―50万円=63万円。

つまり、これだと借り換えに軍配が上がるという計算に。

 

 

金額、年数、金利差によって差はある。

以上の計算は年数15年、1000万円、元の金利が3.2%→引き下げ2.2%。借り換えたら0.8%の場合の計算です。
63万円のために、借り換え労力(書類作成とか銀行に行くとか)を割くかどうかはその人に依るのですが、私だったら、借り換えますね。ハイ。

 

うえの数字は大体の試算に過ぎないので、具体的には、借り換えたいな~って思う銀行に借り換え後の試算表を出すように申し込んでみましょう。うえの計算は、借り換え試算を出してもらったらどのくらいになるかの大体の見当を自分でつけるためのものだと思ってください。

 

そして、借り換え試算表を持って、現在借りている銀行に持っていきましょう。
「ほら。借り換えたら、こんだけ下がるんだ。でも、ここの銀行にずっとお世話になっているし、これからも付き合いたいから、もうちょっと下げてもらえないだろうか」
引き下げ後の金利が1.5%くらいだと、借り換えた場合の負担額の差が56万円程度になるので、まあ、借り換える手間と手数料を考えたら借り換えなくてもいいかな~ってところ、でしょうか。

 

 

向こうが出した数字で満足してはいけない。

銀行に引き下げ交渉に行って、「それなら、これでどうでしょう?」と訊かれたときに、それは交渉のスタートです。
そこから、戦いがスタートするのです。
そこで納得してはいけない。

 

普通に電化製品を値切るときと同じです。(え? 値切らない?)
「これ、どのくらい安くなる?」
「ええと、これくらいなら。いかがでしょうか?」
「うーん。もうちょっと安くならん?」
「いやあ、ちょっと勘弁してもらえませんか。」
「でも、お隣のKさんはこんだけでしたし、アマゾンさんでは、こんだけですよ? ここまで下げろとは言わないから、もうちょっと下げて。」
「うーん、じゃあ、これでどうでしょう?」
「しゃあないわ。手打つわ。ポイントつけてよ」

最低でもこのくらいはやりますよね。もっとやる人もいるんでしょうが、私は気が弱いので、そこそこで諦めます。

 


注意点

借り換えで最優遇を取れるとは限りません。給振口座を変更したり、色々メンドクサイこともあるかもしれません。でも、やってみるだけやってみても損はしないので、やってみましょう。
今の借入残高や、金利、年数とか、銀行によって、手数料も異なります。
返済額の試算だけではなく、トータルの負担を訊いておきましょう。総支払い額はこれだけですよ。でも、融資事務手数料も要りますよ~とか、後出しされると困るので。

 

自分で計算してみて、「これだけの金額のために書類揃えたり面倒なことしたくないわ」と判断するか、「この金額のためなら動ける」と判断するかはその人次第です。

 

師匠の具体的な借入額、年数は訊いてはいませんが、2.2%だったら、もうちょい下げてほしいところです。残高があと200万円とかだったら、借り換え手数料を払って借り換えるよりは、借り換え手数料を繰り上げ返済に充てたほうが、良いでしょう。そのうえで、金利引き下げ、ですね。ということで、再度戦ってきてください!!

 

以上。