D'ac

元銀行員。子育てられ中。

現価係数、終価係数、年金終価係数、年金現価係数とお友達になろう!

タイトルにある通りの「係数の意味が分からない…」と相談を受けました。

 
「え? 簡単やん。数字出てるのに。」って答えると、
「ほんなら、わかりやすく記事書いてみろや」と喧嘩を売られたので、上記4つの係数について今回は解説していこうと思います。

上記4つの係数(現価係数、終価係数、年金終価係数、年金現価係数)は簡単に言うと資金計画のための係数です。
「10年後に200万円受け取りたいんだけれど、今の利率でいくと毎年どのくらい積み立てる必要があるのかしら?」
とか
「今ある300万円を運用しながら、5年間で受け取っていきたいんだけれど、毎年いくらもらえるのかな?」
とか
そういう資金面での計画をたてるときに利用する数字になります。

数字は具体的に以下のように与えられます。
例)現価係数(5年):0.9515(運用利率1%)、0.9057(運用利率2%)…。
ま、そんな感じ。
では、一個ずつ解説していきます。

 

現価係数

一定期間の後、ある金額を受け取るために現在いくら用意する必要があるかを求めるための係数。
つまり、「10年後に500万円を用意したい場合に、現在いくら用意する必要があるか」というお話となります。将来の金額から、運用利率を考慮したうえで、現在の価格に引き直すので現価(現在の価格)係数というわけです。そうそう、運用利率をお忘れなく。ここでは非現実的に5%としておきます。
それでは計算してみましょう。
10年間後に500万円。運用利率は5%!
500万円×0.6139(現価係数)=3,069,500円
利率5%で運用するとき、10年後に500万円受け取るつもりであるのであれば、現在306万円ほど用意したらいいというわけですね。

じゃあ、つづけていきましょう。

 

終価係数

将来の受取額から現在の準備額を用意するのが現価係数でした。
終価係数は逆です。現在の金額を一定利率で運用した場合に将来受け取れる額を計算する係数となります。
現価係数:未来の受取額→現在準備するお金。
終価係数:現在の手持額→将来受けとれるお金。
終価(終わりに受け取れる価格)係数というわけですね。
こちらもちょっとドリーミーな感じで利率5%。最初にある金額300万円、10年運用としましょう。
300万円×1.6289(終価係数)=4,886,700円
今300万円を持っていて、5%利率で運用できれば、10年後には大体500万円に迫る勢いで増えているということですね。

発想としては大体こんな感じです。
これに、ちょっとバリエーションを加えたのが以下の係数たちです。

 

年金終価係数

ふつうの終価係数がどんな係数だったか覚えていますか?
そう。現在の手持ち金額が決定されていて、将来受け取りのお金がいくらになるかを計算する数字でした。
年金終価係数は、基本的には、ふつうの終価係数と同じ。違うのは、お金を拠出する時期が分散される、という点です。
つまり、毎年一定金額を積み立てた場合に将来の受け取り額がいくらになるか、を計算することになります。
具体的にいうと、「毎年20万円を10年間積み立てた場合10年後にいくら受け取れるか」ということになります。
利率は引き続き夢見がちな5%。毎年20万円、10年後の場合を計算してみます。
20万円×13.2068=2,641,360円
となります。

じゃあ次。

 

年金現価係数

こちらも発想は同じ。
将来の一定期間で一定額を受け取るために必要な元本を計算する数字です。
10年間で20万円ずつ受け取りたい場合に必要なお金はいくらか知りたいときに使います。
ここでも利率は5%としましょう。
20万円×8.1078=1,621,560円

ということです。

 

まとめ。

終価係数…現在金額から将来の受取額を計算する数字。現在価値を将来価値に引き直す。
現価係数…将来の受取額から現在準備する金額を計算する数字。将来価値を現在価値に引き直す。
これに"年金"とつくと、積み立て時期、受け取り時期が分散されます。
年金終価係数…毎年一定額を積み立てた場合に一定期間経過後いくらになっているかを計算する数字。
年金現価係数…将来的に一定期間一定額を受け取るためにいくら現在拠出する必要があるかを計算する数字。

 

ちなみに上記の4つ以外にも、減債基金係数というものと資本回収係数なるものがあります。
名前はややこしくて難しくってもう説明したくないイメージがありますが発想としては、上記と同じ。
減債基金係数というのは、将来の希望受取額を実現するために毎年いくら積み立てたらいいのかという数字で、発想としては将来価値から現在価値を導き出す現価係数と同じです。
資本回収係数は、現在の一定金額を年数をかけて取り崩した場合に毎年どれだけ受け取れるかという数字で、発想としては、終価係数と同じです。
ただ、積み立て方と受け取り方が違うというところがポイントとなります。
・一括して拠出して、一括して受け取るか。
・一括して拠出して、分散して受け取るか。
・分散して拠出して、一括して受け取るか。
その中で拠出額か将来受取額かどちらかを求めることになります。

ということで以上。

まあ、試験とか受けるんじゃないなら、「そういうのあるんだな~」くらいでいざとなれば調べたら簡単に分かります。試験うけるならある程度覚えておかないと使えないよね。