読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

夫婦控除とは何か?専業主婦世帯の負担は大幅に増えるのか?

マネー
スポンサーリンク

毎年お馴染みとなってきました、配偶者控除見直し論争。毎年、このころになると、専業主婦世帯の優遇である配偶者控除が時代遅れの制度として議論の俎上に上ることになります。毎年俎上に上るわりに、ほとんど議論は進まないので、与党の支持基盤である専業主婦世帯の力がいかに強いかを思い知らされる結果に終わるのですが、今年はどうでしょうか。多少は議論が進むのでしょうか。

 

議論の現状。

政府によると、配偶者控除の代わりに夫婦控除なるものを導入しようということ。
配偶者控除が配偶者の所得だけを見るのに対して、夫婦控除は夫婦全体の所得をみて、一定額を控除しようとするもの。つまり夫婦控除になると、夫婦共働きであっても、減税の対象になるということになります。

配偶者控除であると専業主婦世帯だけが税制上の優遇を得られるわけなのですが、夫婦共働きが主流になりつつある昨今の日本において、専業主婦世帯を優遇する理由が乏しいこと。夫婦全体の所得をみて、税制を考えた方がいい、という考えがこの「夫婦控除」という新しい制度の根底にあるわけです。

 

専業主婦世帯の負担大幅増になる?

この夫婦控除が導入された暁には、専業主婦世帯の負担は大幅に増えてしまうのでしょうか。

最初に述べたように、専業主婦世帯の政権への影響(票田)を考えると、大幅な負担増になる制度改定は難しいであろうことが予想されます。
そして、「専業主婦でいると損だから、働きに出たほうがいい」という形ではなく、「働いても専業主婦と変わらないようなメリットを得られる」という制度に持っていくと想定されます。
つまり、「共働きでも、税制のメリットは得られる。だから、働きに出ようか」とインセンティブを与えるような制度になると考えられるわけです。

従来:
専業主婦でいた方が税制の面で有利。働くとしても優遇が受けられる103万円に抑えよう。

制度改定後(予想):
103万円以上働いても税制優遇は受けられるから、抑える必要なし。もうちょっと働こう。

これだけ聞くと、「夫婦控除歓迎!」となりそうですよね。

 

今後の落とし穴的なもの。

① 優遇枠は縮小していく。

と予想されます。
専業主婦世帯向けの配偶者控除は縮小論も何度か出てはいるものの、いわば聖域。企業の人員確保からしても、容易に切り込むことができません。でも、夫婦控除として一本化してしまえば、その数値を切り下げることは、配偶者控除の数字を切り下げるよりも簡単に行えることは容易に想定できます。

健康保険料や所得税率の更改への反発ってあんまり聞かないですもんね。

 

② 世帯所得が多いところは狙いうち。

今までは、「一人で1000万円稼ぐよりも、二人で500万円ずつ稼いだほうが、税的に有利ですよ」と言っていたのですが、夫婦控除が創設された暁には、この発想はなくなることが予想されます。
まあ、逆に、「じゃあ、あなた一人で稼いできてね♡」という考え方をする人も出てくるかもしれませんが。


夫婦控除については、まだ具体的な制度設計が分からないので、上述したことは実際現実になるかどうかは不透明です。ですが、夫婦控除が創設された暁には、夫婦共働き世帯の税制面での優遇枠が増えるわけで、そのぶんをどこかで補う必要がでてきます。世帯年収高い層か。現在における専業主婦世帯からか…。

また以上の議論は所得税の枠組みであり、健康保険、年金などの所得税よりも負担が大きいような社会保険の枠組みでの議論とは別です。このへんが、この議論をより難しくしているところです。どちらにしても日本はジリ貧なわけで、負担は増えていく一方。制度の行方を気にするよりも、自分の生きていく方法を増やしていく方が生産的なのかもしれません。

まあ、でも、たぶん、来年の今頃も同じこと言っているような気がしない?
専業主婦世帯負担増! とか大騒ぎする陰で、他の負担が着々と増えていることを考えると、実はこれって目くらまし(&長期的な地ならし)なんじゃないかな~って思ったりするよね。

以上。

 

ちょっと後で書き直すかもしれない。