D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

10月は住宅ローン金利急上昇? 日銀総括ってなに?

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最近、長期金利が上昇傾向にあります。
このままでいくと、2016年10月の住宅ローン金利は間違いなく上昇します。

 

 
さて、なぜ、今金利が上昇しているのでしょうか。そして、今後の金利動向はどのようになっていくのでしょうか。それを知るためには、9月末に予定されている日銀の金融政策決定会合、そこで語られるであろう金融政策の"総括"について知っておく必要があるでしょう。
 
 

金融政策総括とはなにか?

現在日銀が勧めている金融緩和政策、国債の買い入れやら、マイナス金利の採用だとか、様々な政策のことを異次元緩和と言います。
この異次元緩和、2013年4月に導入された枠組みなのですが、この緩和政策、うまく機能していると思いますか? 続けていって支障はないのでしょうか? 目的は達成しそう? そういうことを9月21-22日の金融政策決定会合という会合でまとめよう。それが、日銀による"金融政策の総括"です。
今やっていることの効果とか影響をまとめて反省会をしますよ~というわけです。
 
 

"総括"をやると聞いて、市場関係者は大慌て。

簡単に言ってしまうと、「総括するよ」と黒田日銀総裁が言ったから、金利は上がったわけです。
じゃあ、なんで、総括(金融政策の反省会)が金利上昇につながったのか。それは、今やっている金融政策の効果が思ったように出ていないということ、そして、弊害(悪影響)も大きいということを皆が思っていたから、というわけです。
 
「総括? ついに日銀も自分の間違いを認めるのか…」みたいな風に思われちゃった。というわけですね。
実際に、①2年間で2%の物価上昇、は無理だったわけで、②国債の買い入れ は額が多すぎて、そのうち買う国債がなくなりそうだし、③マイナス金利 は金融機関の収益を下押しして、今まで「国債買い入れ一緒に頑張ろうね♡」みたいに仲良しこよしでやってきた金融機関と日銀の蜜月は崩壊。そんなこんなで日銀の方向性転換は避けられない見通し。総括では、この3つのうち、どれか、いや全部の修正が行われるのではないか、と考えられるわけなのです。
 
 

現在のところ、考えられる修正方向。

まず、①2年間で2%、ですが、とりあえず、期限を区切らない形の目標転換になるのではないかと考えられています。成長率が伸び悩む日本で、2%の物価上昇は厳しい。今までは、中国の過剰生産がどうだとか、原油安が悪いんだ、とか原因を外に求めていましたが、もう認めちゃいましょう。日本は成熟しつつあり、大幅な成長率向上は見込めないだろう、と。(そこまでは言わないと思いますが。)
 
そして、②の国債買い入れですが、年間80兆もの買い入れを行っているのですが、この額を減額、もしくは70-90兆の間で買い入れる、といった形に幅を持たせるのではないかと考えられています。
この変更は、「もしやテーパリング?(緩和縮小、金融引き締め)」と受け止められるリスクがあるので、それと併せて③マイナス金利の深掘りがセットで行われるという見通しが濃厚です。それによって、「金融緩和を縮小するわけじゃないぞ!」という意思表示にもなる、というわけです。
 
最初、「総括」と黒田総裁が言ったときには、「もしやマイナス金利の撤回か?」と沸いたのですが、今のところ黒田総裁もその周りの日銀関係者もマイナス金利撤回はあり得ないというスタンスを取っています。
今までの黒田総裁のやり方でいくと、「サプラーイズ! 撤回しちゃった(テヘ♡)」という展開も予想されたのですが、最近はサプライズ手法を封印して、市場関係者との対話を重視している姿勢をみせているので、サプライズはない…と考えていいでしょう。
マイナス金利は金利の上げ下げという伝統的な金融政策手法と言える(?)こともあって、今後の金融政策のメインのかじ取りはマイナス金利が主流になっていくのではないでしょうか。
 
 

ということで長期金利は上昇中。

国債買い入れ額の縮小、ということで長期の金利は上昇している、というわけです。
マイナス金利が短期金利に作用するとすれば、国債買い入れは長期の金利に影響します。国債買い入れの柔軟化(縮小化)ということを受けて、現在長期金利は上昇しているわけです。
 
 

今後の金利動向。

日銀総括で、国債買い入れ額の縮小が伝えられれば、長期金利は上昇するでしょう。
けれども、マイナス金利の深堀りが同時に行われれば、そんなに大幅に上昇ということもありえないでしょう。
とはいえ、現在の予測されている範囲での金融政策見直し(総括)が9月末に伝えられるかどうかは、正直分かりません。もし、予想よりも、見直しが小ぶりであれば、金利は一転また下落するでしょうし、逆に予想よりも大幅に見直された場合には、金利は再度上昇するでしょう。
 
それにしても、引き続き、経済の体温計と言われる長期金利は中央銀行に左右される展開が続きそうです。
長期金利をもとに決定される住宅ローン金利も日銀の動向で決まるとあれば、引き続き、家計のマネープランも引き続き、黒田さんの顔色をうかがいながら決めないといけない、ということになりそうです。
 
とは言っても、日本の成長率、金融政策の方向性的に、大幅に金利が上昇する、という展開はありえないと考えてもいいのではないでしょうか。やはり、住宅購入など重大な決定に関しては、自分自身のマネープランをもとに計画的に行うのがいいでしょう。
 
借り換えはお早めにどうぞ。
 
以上。