D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

2016年10月以降の住宅ローン金利動向。日銀総括結果を受けて。

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昨日、久しぶりに黒田日銀総裁をライブでみることができました。
ということで、日銀総括の結果をうけて、今後の住宅ローン金利がどうなるのかをまとめておきます。

  

 

多分、今年8月の金利が過去最低金利になる。

だから、10月の住宅ローン金利は多少上昇するし、その水準でしばらく続く…はず。
というのは、日銀は今後の長期金利(10年国債、住宅ローン固定金利の基準)の目標をゼロにすると発表したから。(イールドカーブ・コントロール)
ゼロっていうのは、つまり、今年2月からのマイナス金利政策でマイナス圏に突入していた長期金利を多少押し上げる、ということだから。(2月以降、長期金利はマイナスだから)
そして、金融緩和は期限を設けずしばらく続けられる(オーバーシュート型コミットメント)そうなので、しばらくは、長期金利0近傍の住宅ローン金利が続くことが予想されます。
 
ということで住宅ローン金利は多少上昇します!
とは言っても、十分低い水準ですが。
2016年8月に借り換え、新規借り入れをした人は良かったですね。おめでとうございます(棒)。
 
そんなわけで、今後の住宅ローン金利動向は以上のとおりです。
多少金利が上昇するとは言っても、オーバーシュートコミットメントをするそうなので、しばらくは金利は十分低い水準で推移しそうです。住宅購入を考えている人は、今からしばらくは続くであろう低金利環境の中、じっくり検討することをお勧めします。
 
以下は、今回初お目見えした「イールドカーブ・コントロール」、「オーバーシュート型コミットメント」といった横文字に対してアレルギーを起こした夫に贈るザックリ解説です。
 
 

イールドカーブ・コントロールとは?

イールドカーブというのは、利回り曲線のことです。
正常な金利であれば、短期の金利は低く、長期の金利は高くなります。
お金を貸すとき、「明日返すから!」と言われたときと「10年後でもいい?」と言われたときの金利はどちらが高いでしょうか?
10年後ですね。
 
というのは、長期になればなるほど不確実な要素が増えるので、そのリスクを担保するために金利を高く設定する必要があるからです。
だから、通常は、金利は借り入れが長期に渡れば渡るほど高くなります。
こんな感じ。

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 (ザックリ説明だから図もザックリ! というわけではなさそうです…。)

 でも、マイナス金利を導入後、日本の金利は超長期にいたるまで、低金利化がすすみました。
こんな感じ。

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 ほとんどカーブが寝てしまっています。

 

ということで、日銀はこの低くなってしまった長期金利を高くしていこう、という決定を昨日したというわけです。
 
金利を短期から長期にわたるまで線で結んだ線がイールドカーブ。イールドはyield。利回りのことです。
 
このイールドカーブをコントロールする、つまり、長期金利を上昇させて、寝てしまっているカーブを動かそう、というのが、イールドカーブ・コントロールというわけです。

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この寝てしまっている曲線を長期金利を上げることで起こそう、というわけです。

 

そして、とりあえず、長期金利(10年国債)をゼロあたりに持っていこうという目標が出されたということです。
 
 

オーバーシュート型コミットメントとは?

今の物価上昇率の目標がどの程度かご存知でしょうか?
 

そう2%、ですね。
実現できていません。
この2%を実現するために、今後2%を実現するまで、そして実現したあとでも、十分その水準が安定するまで金融緩和をやめない、ということを昨日、日銀は表明しました。
「2%が実現したら、すぐにでも金融緩和をやめるんじゃないか」という市場の予測が2%実現を妨げる可能性を排除したということになります。
 
2%を一時的に上回ることがあっても(オーバーシュート)、緩和を持続させる(コミットメント)ということになります。
 
私のダイエットに例えると、「2kg痩せる!」って言っても、2kg達成後すぐに運動と食事制限をやめたら、間違いなくリバウンドします。だから、2kg落ちても、時には、それ以上痩せても、安定的に体重をキープできるまでは、ダイエットをやめないということになります。
とはいえ、そもそもダイエットというのは・・・(本筋から逸れるので割愛)

まとめ

イールドカーブ・コントロールとオーバーシュート型コミットメント、この二つの横文字合わせ技で、しばらくは低金利環境はコントロールされるといっていいでしょう。
長期金利は現在よりも上昇させる、とのことですが、10年物利回り水準でゼロ近傍に維持されるので、住宅ローン金利に限って言えば、大きな影響になるとは言えません。
 
とは言っても、日銀が本当にイールドカーブ・コントロールができるのかは定かではありません。
中央銀行ができるのは短期金利の操作だけであり、長期金利の操作はできない、というのが通説だったからです。
昨日も日銀の会見を聞きながら、「え? イールドカーブって操作できんの? どうやって? どうやって?」と具体的手法に興味津々だったのですが、結局「マイナス金利」の操作と「国債買い入れ年限・額」の操作によってなし得るという回答のみであり、もやもやが残ったところです。
確かに今の長期金利の低金利化は日銀のマイナス金利と国債買い入れのコンボ技でなし得たものであり、低金利化ができるのであれば、金利上昇も可能なのかもしれません。
 
長期金利に関して言えば、日銀の政策以外にも、海外要因(FRBの決定、中国減速、原油安)などに大きく左右されるところです。
だから、「日銀がこう言ってたから大丈夫!」と必ずしも鵜のみにはできないのかもしれません。
 
そんな感じでざっくりと頭に入れておけばいいかと思います。
正確には、日銀のHPに今回の総括のまとめが載っていますので参考にしてください。(何はともあれ一次ソース)
 
以上。