D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

「銀行員大失職」を読みました。

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『AI、フィンテック、ブロックチェーン…うちにも外にも行き場のなくなる人たち。
生き残るのは「意外」な人材?』
と帯に書いてある「銀行員大失職」を読みました。

 

銀行員 大失職

銀行員 大失職

 

 大変興味深いタイトルと煽り文句だったのですが、先に言っておくと、「AI、フィンテック、ブロックチェーン」に特化した内容ではない上に、生き残る人材も別に「意外」でもなんでもありませんでした。

もっと、「こういった仕事のこういう部分がAI親和性が高いので、なくなるだろう…」とかそういう具体的な話を期待していたので、残念でした。

さてさて、私はかつて「(今は簡単なアルバイトしかしてないけど)いつか銀行員になって戻ればいいや」なんて舐め腐ったことを考えていたわけです。しかし、ここ数年、AI、フィンテック、ブロックチェーンと「銀行員いなくなりそうだな」という話題がてんこもりでして、「じゃあ、AI作ればいいやん」なんてことを考えていたわけなので、実際に他の銀行業に詳しい人が今後の銀行の趨勢をどう見るかというのは大変興味があったのですが…。

ということで以下レビューです。
 

半分くらいは今の銀行に対する不満です。読んでいるとちょっと管理職あたりの現場を知らない上司に叱責されているような気分になります。…もう銀行員じゃないのに…。
金融機関の欠点がこれでもか、という感じで連ねてあって、「そうだけど、そうじゃない…。(批判は当たっているのかもしれないけれど、そんな話を聞きたくてこの本を買ったんじゃない!)」という気分になります。AIとかフィンテックとかブロックチェーンの話をいっぱい知りたい! という人は他を当たりましょう。
 
あとやけにヘッドハンティングという単語が出てきます。
優秀な専門職でもAIに代替されちゃうよ。
でも、本社勤務なのに、ヘッドハンティングされないなんて君は本当は優秀じゃないんだよ。
…みたいな。
なんか話すり替わってない?
どうやら、ヘッドハンティングされるような優秀な人材ならAI時代でも生き残れる…そうです。
っていう理解でいいのかな?
 
 

生き残れる人材とは?

人間力がある人。らしいです。
他業界、取引先、などなど様々な人脈を駆使して、情報を得ることができるような人。
要するにコミュ力がないとあかんらしいのですが、一方で、FPのような資格も推奨しています。
私はFP資格ありますが、どう考えても、AIに代替されそうです。FP資格で得られる知識なんてペッパー君あたりが簡単に解説してくれそうです。ま、個々人の具体的事例に即して落とし込むのは、まだ人間のほうが勝ちそうですが、時間の問題でしょう。
あ、あと出身大学とかも大事らしいですよ。もう嫌になってきますよね。銀行員なんてやめて、みんなでAI作りましょう。
 
とまあ、大体そんな感じです。
地銀の再編とか、現在の銀行の状況など、そのあたりのことも網羅的に扱っているので、現在の銀行業界を俯瞰するには、良い一冊だと思います。面白くはありませんが。
 


個人的な見解。

個人的には、融資はAIに代替されると考えています。
難しい案件、人間の感性が必要とされる案件があるとすれば、それは今までに積み上げた融資経験があってのものになりますが、そもそもの積み上げ過程をAIに取られるので、そんな例外だけ「人間に判断してね」って振られても、まず決められません。大体、今でも、リスキーなものは「石橋をたたいて渡らない」という感じなのに、AI時代になったら、そんな機械が決められないものを決められる人なんて出てきませんって。
 
株価推測あたりは、まだまだ難しいのではないでしょうか。
だって、AIって結局のところ、統計だもの。過去の事例(データ)蓄積から未来を予測するわけです。歴史は繰り返すとはいうけれども、まったく同じ状況というのは考え難いし、中央銀行総裁が何を発言するか、イスラム国など地政学リスクがどう噴出するか、そもそも個々の企業の考え方・風土といったデータを集めることができるのか、というのはなかなか困難な道のように思えます。
 
ということで以上!
 
銀行全体に興味がある人は読んでもいいかもしれない。

 

銀行員 大失職

銀行員 大失職