アメリカの経済不安。次は学生ローンから?学生ローンの現状をザックリと見る。
アメリカは利上げを前にして経済の堅調さが喧伝されていますが、実は不安の芽はそこここに芽吹いています。そのうちの一つが学生ローン。学生が大学に進学するために借りるローンのことですね。この学生ローンの債務が急膨張し、返済に困る若者が続出しています。
以下では、ザックリとアメリカの学生ローンについてみていきましょう。
アメリカの学生ローン債務残高急膨張の実態。
・残高は約1兆2000億ドル
・住宅ローン残高の8兆1700億ドルに次いで大きな借金。
・借入人口は4000万人
・クレジットカードや自動車ローンよりも残高が大きい。
とにかく、米国全体で大きな負担となっている、というわけです。
学生ローンを利用する学生は、71%にも上ります。
このうち、返済遅延に陥っているものが17%。現役の学生を除けば32%にも上るだろうと推計されます。3人から4人に1人は返済難ということ。
70%の学生が社会に出るときに既に借金があるというわけなんですねえ。
学生ローン膨張の背景にあるもの。
・教育費の高騰。
・厳しい新卒の就職状況。
・学生自身が教育費を負担するケースが多い。
教育費は毎年上昇しているとのこと。日本の教育費も高くなってますが・・・。
アメリカでは教育が学歴に直結しやすいため、みんなこぞって大学を目指すようです。これがアメリカンドリームなんでしょうか。
ちなみに、借入残高が低い人の方が延滞率が高いという。なぜか? 理由は、頑張って大学に入ったものの途中で退学。そのため、高所得の仕事にもつけず、返済もできず、という悪循環に陥るというわけ。
アメリカの大学は入るよりも出る方が難しいですからね。日本とは逆ですね。日本は入ったもん勝ち。
アメリカ経済に及ぼす影響は?
学生ローンの返済負担のために、住宅や車の購入ができない若者が増えているようです。経済的に自立できない結果、3分の1の若者が親と同居せざるを得ない状況に陥っているとのこと。
今後、この学生ローン負担が経済成長の足を引っ張ることは間違いないでしょう。住宅投資なんかは、付随して動く資金の量もバカでかいので、景気にもろに直結します。だから、日本政府も住宅購入促進のためにはいろいろな政策を打っているわけです。
この学生ローン問題は政治的にも問題として取り上げられており、オバマ大統領は返済期限の延長や金利の減免などの負担軽減策を打ち出しています。ただ、効果はあまり出ていない模様。2016年の大統領選挙の争点の一つにもなりそうです。
アメリカの経済の行方をみるうえでも、政治をみるうえでも、学生ローン問題は重要な要素の一つとなっていくことは間違いありません。
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