金利0.1%のインパクト。頭金を用意するのと早く低金利で借りるのとどっちがいい?
金利は0.1%でも、0.01%でも低い方がいい!
それは、まあ、そのとおりです。
でも、実際に0.1%や0.01%の金利差が総返済額にどの程度の影響があるのかご存知でしょうか?
ここでは、金利0.1%のインパクトについてみていきたいと思います。
3000万円の借入をした場合。(35年固定・ボーナスなし。)
1.6% 総返済額3920万円
1.7% 総返済額3983万円
その差、63万円。
借入額が4000万円の時。(同上)
1.6% 総返済額5227万円
1.7% 総返済額5311万円
その差、84万円。
借入金額が大きくなればなるほど、金利のわずかな差が総返済額に及ぼす影響が大きくなることがみてとれます。
頭金を用意するのと低金利で借りるのとどっちがいい?
ところで、時折、「低金利に飛びつくよりも頭金を貯めた方が、有利な借入ができる」という話を聞くことはないでしょうか。
3000万円の買い物をしようとして、そのうち頭金を100万円用意している間に金利が0.1%上昇してしまった! という状況を想定します。
頭金ゼロ・金利1.6%の時に借入をしていた場合、総返済額3920万円
頭金100万円有 金利1.7%の場合。
総返済額 3850万円
最初用意していた頭金を返済額に足すと3950万円。
1. 6%の時に借りていた場合の総返済額と比較して30万円の損をしていることになります。
ちなみに頭金200万円用意しているうちに金利が0.1%上昇した場合の総返済額は3718万円となり、頭金を足して3918万円。
こうなると、金利1.6%の時に借入をするよりも返済額が2万円ほど圧縮できる計算になります。
つまり、頭金200万円用意できて、やっと金利0.1%のインパクトに対抗できる! ということ。
金利0.1%の差は、頭金200万円に匹敵する!
(借入が3000万円のときはね。金額が大きくなればもっと頭金が必要。)
じゃあ、頭金なしでも早いところ低金利で押さえた方がいい?
支払い総額に関しては以上のとおりです。
が、頭金なしでも早く借りた方がいいか、という質問に対しては「場合による」と答えさせてもらいます。
というのは、そもそも頭金ゼロだと金利が高めに設定されてあったり、審査に通りにくい、なんてこともあるからです。
頭金を用意するメリットは以下のとおり。
・お金の貯め癖をつけることができる。(返済計画をたてやすくなる)
・審査に通りやすくなる(金融機関の営業マンの心証もよくなる)
・金利が低めに設定されることがある。
・登記費用、引っ越し費用など、住宅購入には思わぬ出費がつきもの。
(借入額の思わぬ膨張を防ぐことができる)
現在の家賃が住宅ローンの月々の返済額よりもはるかに高額だから、今のままだとお金が貯められないという人や、「絶対今月の金利が底だ」と考える人にとっては、頭金を用意するよりも借入を急いだ方がいいのかもしれません。
ただ、将来の金利なんて完全に見通すことは不可能です。
一応、長期金利なる指標があり、大体をみることはできますが、住宅ローンはあくまでも金融機関の一商品なんですね。今、みんな低金利競争をやっているから、こぞって低金利を提供してくれているけど、ある日いきなり「低金利疲れたから、やーめた!!」なんて言い出す可能性もゼロではないわけでして。誰かが言い出したら、みんなズルズルやめちゃいそう・・・。消耗戦だしね・・・。
逆に来月、日銀が電撃追加緩和をやってくれたりして、更に金利低下! という事態もゼロではありません。
だから、一番底の金利を当てるのはなかなか難しい。金利は大体許容できる範囲の低金利で借りることにして、それ以外のこと(ライフプランなど)をしっかり考えたうえで住宅購入をした方がいいと思われます。低金利だから、といって今必要ない住宅購入を焦っても仕方ないですしね。
住宅購入はほとんどの人にとって、一生に一度の買い物になります。
ちょっとでもお得に借入をする参考にしてもらえると嬉しいです。
こんな記事もあるよ。
本文中の計算は全てこちらから。http://flat35.com/index.html
写真はhttp://www.photo-ac.com/から。