D'ac

元銀行員。子育てられ中。

結婚を決めた理由。

結婚を決めた理由と一口にいっても、「結婚自体を決めた理由」と「この人にしよう」と決めた理由。その2つがある。もともと、「結婚したい!」と思っていた人にとってみれば、後者の理由しかないかもしれないのだけれども。

 

 

結婚自体を決めた理由。それは夫と出会う数年前に遡る。
体調不良は抱えていたものの、基本的に一人の生活に困ることはなかった私。他人と暮らすのも難儀そうだし、結婚なんてしたくないとさえ思っていた時期があった。
そんな私を変えたのは一つの出会いだった。

 

彼女、ここでは美咲さん、としておく。
彼女は私より7つほど年上で、とても可愛らしい人だった。どちらかと言えば美人の部類だろうか。
20代は東京で過ごしていたらしく、人脈もコネも沢山あるようだった。そのせいで、いや、そのおかげで目は肥えに肥え、普通の男では満足できない。そんな風だった。

 

彼女は会うたびに愚痴を言うようになった。
「男がだらしない。」
「公務員はみんな偉そう。」
「銀行員が何様?」
つまりは、お見合い帰りだ。もしくは合コンの翌日だろうか。
さきほど、もしくは昨日会った男を品定めし、ばっさばっさと切り倒していく。
実に爽快。
そんなこんなで会う男、会う男がどれだけ自分に似つかわしくないかを丁寧に分析し、罵倒していった。

 

彼女は政治にも明るかった。
もちろん、こんな世の中への恨み節を延々と述べるだけだったけれど。

 

そうこうしているうちに、私は彼女をあまり美しいと思えなくなってきてしまった。
確かに目鼻立ちはハッキリしている。キレイな部類に入る。
でも、彼女はまるで男の文句が垂れ流しされているラジオか何かのようだった。

 

「美咲さんは、どんな男の人を探しているんですか?」
「昔ね。会社を経営している男の子に言い寄られていて、今は会社売っちゃったのかな? 億単位稼いでリタイアしているみたい。その男の子以下はちょっと悔しいなあ。」

 

私は思った。「ああ、女もずっと一人でいるとこじれていくんだな」と。
そうなる前に結婚しておこう、と。

 

だから、私が結婚を20代で決められたのは彼女のおかげと言っても過言ではない。
感謝している。

 

ただ、今30代で、結婚していない友人もままいるけれど、美咲さんのようにこじらせている人はいないので、単なる性格に過ぎなかったのだろう。30女がみんなそうだと解釈するのはミスリードである。

 

おまけのような扱いになるが、夫と結婚しようと決めた理由を挙げておく。
・まじめに働く。
・話合いができる。
・食べても太らない。
こんなところだろうか。

 

「まじめに働く」というのは何にもまして重要な要素である。
私が「結婚しようと思う」と母に告げた時、母は「働いている人?」と訊いた。「うん」と答えた。母は、「ま、あんたが選ぶんだったら間違いないわね」と言った。
親の条件は大体ここで満たされたようだ。

 

「話合いができる」というのは、私にとって一番大切なポイント。
話合いができない、自分の意見を通すことしかしらない、そんな人とは生活ができない。
他人が一緒にくらすわけだ。衝突も当然ある。そんなときに、お互いに話し合う姿勢があれば、おおよその問題は何とかなるだろう。今でもそれは変わっていない。

 

「食べても太らない」のは付けたしの理由。
私は食べたら食べただけ太るので、一緒に際限なく太っていく人といたら、精神安定上よくないので。
まあ、健康的にはもうちょっと太ってほしい。そう思う日も何度かある。

 

 

以上。

 

 

今週のお題「結婚を決めた理由」