D'ac

元銀行員。子育てられ中。

債券のリスクとはなにか? 

タイトル変更しました。FP2級の内容というところは変わっていませんが、もうちょっと自由な感じでやりたいな~と思い・・・。というか、途中でやめるフラグかもしれません・・・。

 

ということで気を取り直して、今回は債券のリスクについて話をしていきましょう。
債券はリスクのある商品です。


つまり、元本が保証されないということですね。リスクがない商品と言えば、預金などの元本保証型の商品になります。逆にリスクがある商品と言えば、債券、それに株式や投資信託など。
ということで今回は債券にはどのようなリスクがあるのかみていきましょう。

 

1・価格変動リスク

債券は市場の金利情勢によって価格が変動します。
簡単にまとめるとこう。


市場金利上昇↑ → 債券価格↓
市場金利下落↓ → 債券価格↑


丸暗記してもいいけれど、それじゃ、ちょっとつまらないって人は解説も読んでいってください。満足した方はスクロールしていって、2の信用リスクへどうぞ。

 

市場の金利が上昇すると、新しく発行される債券の金利が上がりますよね?
すると、すでに持っている金利が低い債券は売ってしまって新しく発行される金利の高い債券を買おうって思うでしょ?
結果として、すでに発行されている金利が低い債券の価格は下落してしまう、ということ。

 

ちなみに、安くなった債券を購入すれば、金利は低いけれど、安く買って(満期には)高く償還できるから利回りは上がることになる。

つまりこうだね。
市場金利上昇↑ → 債券価格↓ → 債券利回り↑

 

まだピンと来ない人のために具体的な数字を出して説明していこう。
一年前に発行された債券Aの表面利率が1%だったとする。
でそれを100万円分、発行価格で買っていたとする。満期は5年ね。
この債券Aを持っている場合、1年で1万円ゲットできる。5年後(すでに1年経過)には100万円戻ってくる。

今年、表面利率3%の債券Bは発行された。
債券Bを100万円買うと年間3万円受け取れることになる。これは大変お得。
債券Aを売ってしまって、債券Bを購入した方がいい投資だといえるよね。
じゃあ、債券Aを売って債券Bを買おう!!

債券Bを100万円購入して、毎年3万円受け取りました。めでたしめでたし。

 

といきたいところだけれど、ここで問題が発生する。
わかるかな??

 

そう、債券Aが一体いくらで売れるか、ということだ。

 

債券Aが100万円で債券Bも100万だったら、当然受け取れる利息の多い債券Bに人気が集まる。
だから、債券Aには売り圧力がかかる。
債券Aが100万円で債券Bが100万円だったらどうする?
当然債券Aを売って債券Bを買うよね。

 

じゃあ、債券Aが99万円、債券Bが100万円だったら?
もっと下がって債券Aが98万円、債券Bが100万円だったら?
債券Aが99万、98万くらいだったら、まだ債券Bを買った方がお得そうだ。
でもそれ以上下がるとちょっとわからなくなってくるよね。

 

こんなときに役にたつのが、前々回あたりに説明した債券の利回り計算法だよ。
じゃあ、ちょっと計算していこう。


債券Aが99万円になったとき。
債券Aは満期5年だけれども、1年経過しているので、残り4年になる。
99万円で購入しても、満期には100万円が返ってくる。
つまり、購入差額の利益は1万円だ。
1万円を4年間で割ってやる。
すると、1年当たりの収益は0.25万円。
債券Aの表面利率は1%なので、債券Aの年間の利益は1.25万円になる。
これを購入価格で割ってやると利回りが算出できるという寸法。
1.25÷99≒1.26%
これが債券Aが99万円の時の債券利回りになる。

 

ちなみに債券Bは100万円で購入して100万円で償還される表面利率3%の債券なので、利回りも3%。
つまり、債券Aが99万円の場合には債券Bを購入した方がいい投資になりそうだ。


じゃあ、債券Aの価格がぐんと下がって95万円になったとしたらどうだろうか。
満期になると100万円償還される。
つまり残存期間4年で5万円の利益だ。
5÷4=1.25万円。
これに表面利率の1%の利益を足すと、1年間の利益は2.25万円になる。
1年間の利益を買い入れ価格で割ってやると2.25÷95≒2.37%
これでもまだ債券Bの水準に届かないねえ。

 

じゃあ、債券Aの価格が92万円だったらどうだろうか。
残存期間4年で8万円の利益。
8÷4=2
これに表面利率の1%の利益を足すと1年間の利益は3万円。
3÷92≒3.26%
このあたりでようやく債券Bを購入するのと同じくらいの投資妙味が債券Aに生まれるということになる。

 

つまり債券A(表面利率1%)は債券B(表面利率3%)が発行された場合には、価格が8万円も下がることになるというわけ。その結果、債券Aの利回りは上昇するってこと。

 

市場の金利が上昇すると新規発行の債券の金利は上がる。だから、既発債の価格は下がる。結果、既発債の利回りは上昇する。


・・・ということになります。

 

ちなみに金利が下がる時には逆の流れが発生します。
金利が下がると新規発行の債券の表面利率が下がります。
するとすでに発行されている債券の金利が相対的に高いことから買われます。結果として、債券の利回りも下がります。

 

ということで、債券の価格変動リスクについては以上。

 

長くなりましたが続けて債券のリスクについてお話していきます。
あとは簡単なので!

 

2・信用リスク

信用リスクは別名、デフォルトリスク(のほうがなじみやすい?)または債務不履行リスクのことです。
債券を発行している会社や国になにかあった場合などに、債券の全額、もしくは一部を回収できないリスクがあるというわけです。たとえば、ギリシャとかですかね。

 

この信用リスクを表している代表的なものに格付けがあります。格付け会社の主なものは以下のとおり。


ムーディーズ

Moody's - credit ratings, research, tools and analysis for the global capital markets

 

S&P

Standard & Poor's | 日本

 

格付けは以下のような記号であらわされます。(会社によって微妙に違います)
AAA
AA
A
BBB
B
CCC
CC
C
D
上にいけばいくほど、高格付け。
BB以下は投資不適格債となります。

 

ちなみに格付けが高ければ高いほど、信用リスクは低く、債券価格は高く、利回りは低くなります。
そりゃあ、潰れるリスクが低くて? 債券が安くて? 金利も高い~?なんて債券があればうれしいですが、ま、そんなに世の中甘くはありません。
もしかしたら、ごみくずになるかもしれない。そんな債券のほうが金利は高いのが世の常といったところです。
ということで当然なことを言いましたが、覚えておきましょう。

 

3・流動性リスク

あまり市場に流通していないような債券だと、売りたいときに売れないことがあります。
これが流動性リスク。

 

4・カントリーリスク

カントリーリスクは政治や経済などの情勢からみた信用リスクのことです。


ということで債券のリスクについては以上です。

次回は、株? かな。