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元銀行員。子育てられ中。

年内利上げ規定路線に。住宅ローン金利が低いのも今年で最後となるか?

昨日米労働省が発表した米国雇用統計の速報値によると非農業部門の雇用者数が前月比21万1千人の増加となり、雇用回復の目安となる20万人を超し、市場予測値であった20万人を上回る結果となりました。
これにより、アメリカは利上げを年内に行うことがほぼ確実となりました。

 

いやー。めでたいですね。
アメリカが利上げを行うのは、9年と6か月ぶり。
異例の金融緩和はようやく終焉を迎えるというわけです。

 

とは言っても、ECBは先日追加の金融緩和に踏み切り、日本はまだ緩和カードを残している状態。
世界各国の金融緩和具合、景気回復度合いはてんでばらばら。
アメリカだけが引き締めても、そのほかの国の過剰流動性が流れ込んでくればどうなることやら、と言ったところです(アメリカの金利が上がっても、ほかの国のあまったお金が流れ込めば、金融引き締め効果が薄れるかもしれないということ)。

 

ということで気になるのは今後の日本の金利動向。
ズバッといって、住宅ローン金利が来年はどうなるのか気になるところです。

 

アメリカの金利が上がれば日本の金利も上がる。
するとなると、来年は住宅ローン金利も上がるのではないか、と考えている人も多いのではないでしょうか。

 

答えから言うと、来年の住宅ローン金利はしばらくは現在の低金利水準が続くものと考えられます。
その理由は以下の3点。

 

1・国債の発行が減額されること。

今年は金融緩和、円安、原油安も手伝って、国の税収が上振れしました。
そのため、来年度の予算が大幅に減額できるとのこと。
つまり、国債の発行が減額されるとのことです。
これ自体は大変よろしいことですが、日銀が金融政策で大量の国債を買っている中、国債発行額が減額されるということは、国債の品薄感が強まるということ。つまり金利の下押し圧力となります。

 

2・日銀の国債の償還が迫っていること。

日銀は国債を購入しているわけですが、国債は当然償還されます。
その償還時期が迫っているというわけです。
1年以内には、39兆円が償還されるとのこと。
つまり日銀は、償還される国債分の国債も新しく買い足さないといけなくなります。
国債発行額も減るというのに、新規でもたくさん買わないといけないとは・・・。

 

3・日本はまだ追加金融緩和のカードが残されていること。

日本はあと一回は金融緩和に踏み切れると考えられています。
つまり、更に国債の買い入れ額を増やすことができるわけですね。
市場に買える国債、もしくはそれ以外の資産が残っていれば・・・ですが。

 

ということで、アメリカの利上げが行われても、日本固有の事情もあるわけですから、しばらくは日本の金利が急に上がるということはなさそうです。

 

ただ、今まではアメリカ、EU、日本と同じように金融緩和路線を進んできたところ、今後は方針がバラバラ。不透明性が高まるものと考えられます。
住宅ローンの利用を考えている人、借り換えを考えている人は、今の低金利水準のうちに踏み切りたいものですね。

 

以上。