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元銀行員。子育てられ中。

預金にマイナス金利を導入する方法を具体的に考えてみた。

マイナス金利導入後、銀行は収益面で苦戦を強いられるかと思いきや、日銀が国債のマイナス分の損を被ってくれるので、意外や意外、なんとかなっている・・・なんて話を聞いております。

 


*国債を高額で買い入れても、それ以上高額で日銀が買い取ってくれるため、銀行は損をしていないということ。日銀が国債を満期まで保有すれば、日銀に損が発生します。その損は誰が負担するかって? あなたですよ。あなた。

さて、そうは言っても、住宅ローン金利は低下し、その他貸出先も限定される中、銀行にとって収益の多角化は必須課題となってくることは間違いありません。

ということで、マイナス金利を預金者に負担させる方法、つまり預金口座のマイナス金利導入方法について考えてみました。

① 預金額に合わせて金利を変動させる。

というのは、マイナス金利の下限は、現金を預金口座以外で保蔵するコストとイコールになるからです。
銀行口座に預金をするよりも、格安でお金を保管できるのであれば、みんなそっちに移行しますよね。

そして、預金額が多ければ多いほど、その保蔵コストは上昇します。
私の口座には、今10万入っているかどうか怪しいところですが、10万円くらいであれば、財布にでも入れられます。つまり、預金口座のマイナス幅はゼロといったところが妥当でしょう。

② 決済の手数料を上げる。

預金額が低い口座は預金口座以外の保蔵コストがゼロに等しいので、年率といった形でマイナス金利を課すのは妥当ではありません。
その代り、支払、振込などの決済に対して手数料を課すのが適当になってきます。

このコストは、その他の遠隔地の決済方法のコストを勘案して決定されることになります。代引き、クレジット払いなど。企業が負担するか、利用者が負担するかは、その契約のあり方なのでしょうが。
決済手数料は、預金額の多寡にかかわらず決定されます。

③ 現金の保蔵コストを考える。

① で現金の保蔵コストがマイナス金利の下限という話をしました。
ということで、現金の保蔵コストについて考えていきましょう。
現金の保蔵コスト、まずはタンス預金ですね。ただ、タンス預金であれば、火事や泥棒などのリスクに備える必要が出てきます。
家で保管するにしても、とりあえず金庫が必要ということでしょう。

持ち運びできないレベルのものを・・・と考えた場合、最低でもこのくらいの重さは必要なのかな? 

ダイヤセーフ 耐火金庫<テンキー> MEK50-7

ダイヤセーフ 耐火金庫<テンキー> MEK50-7

 

重量53kg。中身があればもうちょっと重くなるはず。

 

買う金も、入れる金もないので、検証できませんでした。
すいません。

自宅保管しないのであれば、銀行の貸金庫という手があります。

貸金庫の借り賃は、銀行やその貸金庫のサイズによって異なりますが、大体このくらい。

1号  63mm(高さ)×246mm(幅)×382mm(奥行) 年額 11,016円
2号  84mm(高さ)×246mm(幅)×382mm(奥行)年額 14,688円
*参考:四国銀行。

 

借りるお金も入れるお金も・・・以下略。

ただ、300万円ほどあるとして、年間約1万円する金庫を借りるのであれば、実質の負担割合は年率0.3%ほど。つまり、銀行預金がマイナス0.3%までであれば銀行に預けている方が合理的ということになります。

既にマイナス金利を負担している人が沢山いるらしい。

先月日銀がマイナス金利を導入して以降、たくさんの金庫が売れているとのこと。各種メディアで伝えられています。
さてさて、まだ銀行が預金にマイナス金利を導入していない段階で多くの人が現金を保蔵することに対して多くの費用を負担していることに対しては、大変残念な気持ちになったりもするのですが、金庫の需要が増えるということは景気刺激策の一環と言えなくもないので、市中に資金需要が生まれたことに関していえば、喜ばしいのかもしれません。

まだ金庫を購入していない人は急ぐ必要はありません。
銀行がマイナス金利を導入した後に、自分が持っている額、そして、それを預金口座以外で保管するコスト(金銭的・心理的)についてきちんと計算したうえで判断することをお勧めします。

ちなみに金塊で保蔵すると保蔵スペースの圧縮につながる・・・なんて話もありますが、価格が変動するものですので、現金と同じように考えて扱うのはやめたほうがいいでしょう。(金保有を否定するものではありません。)

以上。



金庫に札束を突っ込んでコスト検証してくださるブロガーさん大募集!!

検証した際にはぜひご一報ください!!