D'ac

元銀行員。子育てられ中。

日銀がETFの買い増しを決定!ETFってなに?問題点はないの?

2016年7月末の金融緩和では、ETF買い増しが決定されました。
ということで、今回の金融緩和について簡単にまとめておきます。

 

金融緩和は期待外れ。予想よりも小規模に。

日銀の金融緩和の方法としては以下の3つがあります。
① 国債の買い入れ
② 金利の引き下げ
③ ETFの買い増し
今回実施されたのは、③のETF買い入れです。
これは、期待されていたよりも小規模な緩和。ガックリきた皆さまは円を買い(円高)、国債を売り(金利高)、そして少しだけ株を買いました(株高)。

みんな①の国債購入と②の金利引き下げを期待していました。そのため、先行して、株高、円安、低金利が進んでいたわけです。でも、①と②は実現ならず。そのため、進んでいた円安と低金利が巻き戻ったわけです。でも、ETFの買い増しのおかげで株はわずかながら上昇した、ということでございます。

 

ETFの買い増し。ETFってなに?

ETFというのは、上場している投資信託、です。Exchange Traded Fundの頭文字を取ってETFと言われます。

投資信託というのは、様々な株式(債券)を組み込んだ商品のこと。指数に連動するようなものが多いです。
詳しくはこちらをどうぞ。

peticonbu.hatenablog.com

 

ETF買い入れの問題点とは?

ETFは様々な株式を組み込んだ投資信託です。ETFが買われるということは、すなわち、そのETFに組み込まれている株式の値段が上がるということ。
株というのは、本来、その企業の業績や今後の見通しなど様々な要素で買われるものです。ETFばかり買われるということは、すなわち、その企業を具体的に吟味することなく株が買われるということ。
つまり、株による企業の価値判定が難しくなるということを指します。

日銀がETFを購入する以前から、ETFや投資信託の存在感は個人投資家などの間では存在感を増し、その結果、ETFや投資信託が市場の規律を損なう、という話は以前からあったのですが、日銀が買い入れ規模を増すことで更に弊害が大きくなることが予測されます。

また日銀が大株主となった場合には、日銀がその権利を行使することは考え難いことから、企業に対する株主からの監視の目が少なくなることも予想できます。

 

日銀に左右される市場。

毎度のことですが、日銀が金融政策決定会合が行われるたびごとに、市場は思惑で乱高下しています。
今回は、追加緩和が行われる可能性が濃厚だということで、追加緩和の内容が発表される前に株も債券も大幅に買われていました。
発表後は、期待が外れたということで、その直後から、大きく修正のための価格変動が起こりました。

そんな感じで、市場は大きく日銀に左右されています。
本来であれば、企業実態などに即して動くべきものが、日銀の動向で決定されているということです。そうなると、安心して株を買うことができません。

 

まとめ。

ということでまとめておきます。
ETF…株を組み込んだ投資信託。上場しているやつ。株が組み込まれているから、ETFが買われることで株価も上昇する。市場全体を押し上げるので、株価による企業の価値判定ができなくなる。
今回の金融緩和…思ってたより小規模。ガッカリ。
色々な弊害…今回のように、日銀の動向による思惑だったり、色々な要素が絡み合って、市場が正常に機能しない。日銀には逆らわない方がよさそう。

といったところでしょうか。

ちなみに、②の金利引き下げによるマイナス金利幅拡張は今回はありませんでした。
「銀行サイドの反発も大きいし、預金者の資産も守れないし、年金とか結構厳しいなどの問題がいっぱいあるので、これ以上の深堀は無理でしょ」なんて思われているのですが、日銀としては、「やろうと思えばまだまだやれる」といったスタンスなので、今後はどうなるのか微妙です。
次は9月、ですね。また、そこに向けて、様々な思惑が飛び交いそうです。
素人は手を出さないのが吉。です。勉強のために買う、とかなら止めませんが。(私も時々遊んでます。)

以上。