D'ac

元銀行員。子育てられ中。

そこに人は必要なくなるんだろうな…。金融商品の手数料明示化がますます進む…。

マイナス金利が進み、金融機関が手数料を重視した経営に舵を切りつつある、というお話は何度かしたことがあると思います。
今は、トランプ相場で長期金利はマイナス圏を脱していますが、依然金融機関にとっては厳しい状態にあることは間違いありません。

 

さて、金融機関が手数料収入に重点をおくようになったことで、金融商品の手数料に焦点が当たりつつあります。金融庁は金融機関が投資商品を販売するときの手数料を明示することを原則とする指針を作成するとのこと。

 

この間やり玉にあがっていたのは、保険の手数料について。こちらについては多くの銀行が既に自主的に手数料を開示しています。

 

さてさて、今後、金融商品の手数料はどこまで開示しなければならなくなるのでしょうか?
難しい問題となってきそうです。そして、そこに商品が"お金"であることの難しさがあるように思えます。

 

例えば、洋服。
生地の現価がいくらで、デザイン費がいくらで、作業費がいくらか。販売員の取り分がどれだけか。
そんなことを開示する必要はありません。

 

お弁当もそうですよね。
このお弁当の材料費は200円なので、残り300円は作業費になる。
あのお弁当の材料費は100円なので、残り400円が作業費。
じゃあ、材料費かけているこのお弁当を買おう。

 

まあ、そんな話は現実的ではない。
弁当や服なんかでは、そんな話はしようがないですよね。

 

けれども、金融商品はそういうことができるわけです。
というのは、それがお金だから。
もし、A銀行に預けたほうがB銀行に預けるよりも価値が損なわれず安全、とかであれば、そこに付加価値を見出すことは可能なのでしょうが、実際には、そういうわけではありません。

 

だから、純粋な形で手数料というものが炙り出されます。
そして、手数料を下げるために必要なものはなにか、といわれると、やはり「機械」になってくるのではないでしょうか。
ロボットが投信を運用し売る。
純粋に数字だけを追う世界では、それが唯一の正解になる日も近いのでしょう。

 

だって、お金だもの。
そこに足されるべき価値は、手厚いサービスや流行の形とか美味しさじゃなくて、お金そのものになるんだもの。

 

もちろん、金融商品手数料明示化について反対はしません。
保険とか、いままで取りすぎじゃね? って思っていましたし。

 

ただ、金利の沈み方、そして、この手数料明示化は金融機関に大きなダメージになるのは確実ですし、それらの動きすべてが金融機関無人化、縮小再編に繋がるものになるのだろうな~とふと思っただけです。

 

手数料を払ってもいい、と思えるような、お金にお金をつぎ足す以上に意味のあるサービスを提供できない限り、既存の金融機関が機械によって淘汰されるのは意外と近い未来になりそうです。

 

以上。