D'ac

元銀行員。子育てられ中。

長期金利が不安定に。今後の道筋は不透明に。

先週8月2日、長期金利は一時マイナス0.025%に。

 これほど大きく上昇したのは、(マイナスってつくと、なんか下がったみたいな印象を受けるけれど、2月のマイナス金利導入以降、日本の長期金利はずっとマイナス圏にいるので要注意)4か月ぶりほど。
どうしてこのように急に上昇したのでしょうか。

 
 

長期金利急上昇の理由。

長期金利が大きく上昇した理由は大きく分けて2つ。
一つは、日銀が9月に金融緩和の総括的検証を行う、としたこと。
もう一つは、7月の緩和では国債の買い入れ額拡大とマイナス金利幅拡大が見送られ、金融緩和の限界が意識されたこと。
つまりは、9月の金融緩和総括では、マイナス金利の撤回などの金融緩和が後退するようなメニューが用意されるのではないか、と意識されることになったからです。
 
ただ、9月の金融緩和縮小については、その可能性を日銀の黒田総裁は否定しており、可能性としては何とも言い難いのですが・・・。
 
 

日銀は信用できない。

日銀は、この異次元緩和を始めてから、ずっと市場関係者の裏をかく形で政策を発表してきました。
「サプライズ」ですね。だから、日銀が事前にどう動くかはどうも読みにくい。
まあ、緩和拡大のサプライズはあっても、縮小のサプライズはないのかもしれませんが、ここらへんは市場との対話を重んじるFRB(アメリカの中央銀行)とは大きな違いです。
だから、正直日銀がどう動くかなんてさっぱり分かりません。いや、イギリスのEU離脱だったり、アメリカの雇用統計だったり、その他さまざまな指標だったり、手がかりが全くないわけではないのですが。
 
 

9月の住宅ローン金利は上昇しそう。

9月の総括を前に、長期金利が上昇基調にあることは避けられません。そもそも、8月の住宅ローン金利が低くなった原因は、7月末の日銀金融政策決定会合への期待感がその背景にあったことを考えても、その期待が裏切られた今となっては、その水準を下回るような金利水準を望めないのは言うまでもないことです。
ということで、よっぽどのことがない限り、2016年9月の住宅ローン金利は上昇すると考えて間違いないでしょう。
 
 

その後の傾向。

その後のことは、日銀が9月にどういった判断を打ち出すのか。アメリカ利上げの動向、大統領選の行く末、世界的な経済状況など様々な要素が絡みあってくるので、判断が難しいでしょう。
ただ、一つ言えることは、これだけ世界的に不透明感が広がる中で、金利が大幅に低い現状においては、「長期借入は固定金利で」がセオリーです。
 
固定金利が変動金利を下回るような光景も見られる現状においては家計の長期負債である住宅ローンも早いうちに固定してしまったほうがいいのではないでしょうか。
 
以上。