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元銀行員。子育てられ中。

2016年9月住宅ローン金利。ついに上昇!今後の金利動向はいかに!?

2016年9月は予想通り長期金利はやや上昇し、住宅ローン金利も久々に上昇することとなりました。

 


10年固定最優遇
三菱東京UFJ銀行 0.60%(0.1%引き上げ)
みずほ銀行     0.70%(0.05%引き上げ)
三井住友信託銀行  0.45%(0.1%引き上げ)

長期金利動向からすると、フラット35金利も引き上げられるのではないでしょうか。

 

長期金利が多少上昇した理由。

住宅ローン金利(固定)は長期金利(国債利回り)の水準に従って決定されます。つまり、住宅ローン金利がなぜ上昇したのか、これからどうなるのか、を知りたい場合には長期金利水準をチェックすることが必要となってきます。
長期金利が今回やや上昇したのは、前回の日銀の追加緩和が市場関係者の予想よりも小ぶりであったこと、また、9月には日銀が金融政策の総括を行うとしており、その総括では金融政策のうち、マイナス金利の撤回、国債購入額の縮小が行われるのではないかと考えられたことから、長期金利は反転上昇しました。

 

今後の金利動向。

前回の金融緩和が小ぶりであったこと、また次回金融政策決定会合では金融政策の見直し(縮小)が伝えられるのではないかとの予測が蔓延していること、以上のことから、長期金利が多少上昇したと上述しました。けれども、先日のジャクソンホールでの討論会で、黒田日銀総裁はマイナス金利の効果を強調。また、今後更にマイナス金利を深化させることができる趣旨の発言を行いました。

つまり、9月末の金融政策決定会合では、更にマイナス金利のマイナス幅が広がる可能性があるということであり、その結果次第では、長期金利は更にマイナス幅を拡大するということ。またその期待をうけて、会合に向けて金利が低下していく可能性があることとなります。

アメリカの利上げ時期や、そのほかの世界経済情勢など不透明な部分も多くありますが、10月の住宅ローン金利は再度過去最低を更新する可能性はゼロではないわけです。

 

今後の住宅ローン、借り換え・借り入れ戦略。

とは言っても、住宅ローン金利水準は既に過去最低水準。
一番底を狙いたい気持ちも分かりますが、以前の高い金利で借りているのであれば、なるべく早めに今の超低金利水準に借り換えた方がいいのではないでしょうか。
また、長期金利水準は、米利上げなどの世界的な経済要素も絡んで決定されることなので、完全に予測することは不可能です。明日くらいに、どこかの大手銀行が破たんして、世界経済危機…なんて可能性もゼロではないのですから。

また、住宅の新規購入である場合には、実際に融資実行月にならないと適用金利が判明しません。ということは、長期的な動向の把握が何よりも大切になってくると言えるでしょう。

 

まとめ。

マイナス金利政策が撤回されるかも…という期待(不安?)は黒田日銀総裁によって否定され、更にマイナス金利幅の深化が否定できない以上、金利は今後も下がっていく可能性があります。

ただ、マイナス金利政策は銀行収益への打撃が大きいところ、それほど下げる余地はなく、国債買い入れも限界が指摘されるところ、今後の金利が思うように下がっていくかは判断が難しいところでしょう。
金融政策の総括(見直し)は9月末なので、10月の住宅ローン金利に反映されるのは、金融政策総括の結果ではなくて、期待感(不安感)だけとなりそうです。
借り換え、新規利用ともに、長期的な動向を頭に入れて準備していきたいところです。

以上。