それでも私は本を読む
昨日、貫洞沙織 (id:keisolutions) さんのエントリー
が面白かったので紹介したいと思います。
「僕は本を読むのが苦手なんですよ。それに、読む行為って、結局自分のわかるところだけ読んじゃって、作業としてインプットになってないと思うんですよ。自分の言いたいことが書いてあるところを探して、見つける。それって完全にアウトプットじゃないですか」
だから、読むんじゃなくて聴く、とのこと。
そういえば似たような話を学生時代にしていました。
ビジネス書じゃなくて政治哲学の本だったんですけれどね。教授に「結局、知っていることしか入ってこないんですよね。ははは。」なんて私が言ったもんだから、多少顰蹙を買った記憶が・・・。
ジャックデリダだったな。確か。
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いや、サイードだったかな?
- 作者: エドワード・W.サイード,Edward W. Said,今沢紀子
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まあ、とにかく読書というのは結局自分の知っていることしか入ってこないという点については完全同意。
ただ、だからといって読書の経験が完全に自分の知識や体験を追うだけの経験になってしまう、ってことはないと考えています。
ということで、結局自分の知識の確認にしか過ぎないであろう読書体験が、それでもなお有用な理由を挙げていくよ!!
1・体験や気づきに言葉を与える
知っているからといって、必ずしも、それを言葉として得ているわけではありません。本を読んでいて、「あー、それそれ分かる」っていう感動は、一つには同調といったものにより引き起こされますが、もう一つには、自分自身が言葉に転換しえなかった体験や気づきに言葉を与えられたことによる感動によるものと推察されます。
自分の中でふわふわとしたつかみどころのない感情なんかも、うまく言葉を見つけることで収まりどころを見つけるでしょう。そう、感情は言葉を与えられて制御することができるのです。記憶も言葉を得て、整理しやすい形でストックされるはずです。
2・歳をとるごとに新たな気づきを得る
知っていることしか読めない、それはすなわち、人生経験によって一冊の本から読み取れる情報量が限られてくるということです。
後で読み返して、新たな気付きを得られるというのも読書の醍醐味なわけで。
3・人と同じ読み方ができない
自分ひとりであっても、ステージによって読み方が変わるのに、他人は何をかいわんや。だから、読書の感想を言い合っても、全く違う本を読んだかのような感想がでてくるわけで。これも読書の面白いところですよね。
まあ、そもそも本から全てを得ることなど不可能。やっぱり、なんでも経験してみるべきですよね。その上で、出会う言葉に出会うべきときに出会う、そこに読書としての感動があるのではないでしょうか。
こうして文章を書いていても、自分が言いたいことに完全にリーチしているように思えない。知っていることの全てを言葉にできている気がしない。まだまだ、言葉のストックが足りないようです。
ちなみにビジネス書に関して言えば、ほとんどのものが同じことが書かれていると思います。表現が違うだけで。それなら過去の大家のものを読むのがよろしいでしょう。何度もね。
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,香山晶
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あれ? 道を開いてばっかだね。
じゃあ、もう一冊開いておこう。
どれでもおすすめ☆
以上!