D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

2015年11月頭、各国中央銀行の景気判断と金融政策動向について。

スポンサーリンク

先週はFOMCに日銀金融政策決定会合、中国の追加利下げ、先々週にはECBが追加緩和示唆、とここにきて、各国中央銀行の世界景気動向の判断は分かれた模様です。

 

日銀は昨年の追加緩和記憶が新しいところで、今年ももう一発かますかとそこそこ期待が醸成されていましたが、結局追加緩和ならず。そのカードを温存しました。

 

ということで、今のところの各国中銀の景気見通しと金融政策方針を簡単にまとめておきます。

 

日銀

景気見通し・・・経済成長と物価に下方リスク
30日の記者会見では、物価上昇率目標(2%)への到達時期を先延ばし。
新興国経済原則の影響もある、と認める。

要するに、「約束してた物価上昇はまだ達成できそうにないし、お給料も上がらないよね☆ 景気? うーん。中国とかをはじめとしてあちこちやばいから、日本も影響あるよね(^_-)-☆」って。

追加緩和カード
用意はある。けれど、まだ切らない。
追加緩和をする準備はあるし、いざとなればすぐに切れるけれど、今はそのときじゃないという判断。
資産買い入れ額からしても、追加緩和カードはあと一回しか使えなさそう。だから、結構ギリギリじゃないと使えない。

ちなみに、「物価上昇率達成が先送りなんだから、追加緩和しろよ!!」と思った人が割とたくさんいた模様です。

私個人としては、まだ追加緩和カードが温存されてよかったな~ってところ。
「追加緩和がまだある・・・!」という期待値が相場をある程度は支えてくれるのではないでしょうか。

 

FOMC

景気見通し・・・幾分改善?
前回のFOMCでは、「世界経済動向がアメリカの経済活動を幾分抑制する」との文言があったところ、今回のFOMCでは「世界経済と金融環境を注視する」と前向きな表現に変更有。
次回会合(12月)の利上げを示唆しました。

利上げなるか?
今回FOMCによると年内の利上げは十分ありうるところ。
ただ、ECBは追加緩和示唆、日本も追加緩和カードを温存したあたり、アメリカの世界経済見通し、自国経済見通しがどう出るか、というところ。
アメリカ経済の重要指標である雇用が回復しない限りは、アメリカ経済基調の堅調さをアピールすることは難しそう。

とりあえず今は「利上げするよ~」とか「利上げしないかもね~」なんか言いつつ、ちょっとずつ市場に耐性をつけさせているのかな? といったところ。いざ動いたときに、一気に破滅に向かうと困るもので。

ECB

景気見通し・・・新興国の景気減速は問題。
次回理事会(12月)では追加緩和の内容を話し合う予定。

追加緩和の内容は?
マイナス金利の拡大と資産の追加買い入れが検討される模様。
まあ、ECBは日米よりも資産買い入れなどの政策メニューがまだいっぱい残っています。
購入額を増やすのもよし。買い入れ資産の種類を増やすもよし。買い入れ資産の期間を延長するもよし。なんでもあり。
マイナス金利はこれ以上はやらないよ~ってドラギさんは言っていたけれど、やっぱりやる心づもりらしいので、ちょっとそのあたりの判断も見ものですね。

人民銀行

景気見通し・・・新常態だ!!

・・・というのはおいといて、GDPは6.9%と、ついに7%を下回りました。
それでも、統計データ的に信頼できない点もあり、実際にはもっとキツイかもしれません。

追加緩和。
中国はまだ金利も高く、預金準備率も引き下げ余地が大幅にあります。
金融政策が効くか否かは別として、アピールする手段はたくさんある。
だから、また何か危機がおこれば、すかさず緩和をするのではないでしょうか。

 

ということで以上が11月頭における各国中央銀行の景気見通しと追加緩和に対する姿勢となります。

 

アメリカと中国がややポジティブで、ECBと日本がややネガティブな感じ?
まあ、中央銀行が示すネガティブとポジティブは単なる金融政策への口実に過ぎないのかもしれませんが。
景気いいよ~とか言いながら追加緩和するわけにはいきませんから、ね。

 

とはいえ、世界経済の連動制が高い昨今、各国中央銀行がどれだけ自由にふるまえるかは怪しいところです。新興国の需要減少は間違いなく世界経済の下押し要因となるでしょう。アメリカも例外ではありません。

 

景気動向如何だけでは、今後の経済見通しが占えないのが難しいところです。
ただ、金融緩和って本当に効果ある? なんて疑心暗鬼も広がりつつあるので、もしかしたら、何かのきっかけで全部が一方向に崩れ落ちる・・・なんて可能性もなきにしもあらず。


とりあえず、年末にアメリカの利上げとECBの追加緩和が行われるか見守りたいところです。
中国は適宜動くでしょう。一番わからないのが日銀ですが、まあ、年内にカードを切ることはない・・・のではないでしょうか。

以上。