D'ac

元銀行員。子育てられ中。

マイナス金利の発想にそろそろ慣れるべきなんじゃない?

マイナス金利の導入が発表されて以降、預金金利の引き下げが続いています。
「マイナス金利なんてとんでもない!」と思っていた人もそろそろマイナス金利に慣れるべきじゃないかなあ、なんて思ったりします。

 

よく考えるとマイナス金利って合理的。

「預金しているのにお金取られるなんて!」って思う人多いみたいですけど、よくよく考えると、プラス金利自体が「安全にお金を預かってくれているのにそのうえお金をくれるなんて預金金利って最高!」が正解じゃない? って思いません?
「お金貸しているんだから利息もらって当然でしょ!」って思う人もいるかもしれませんが、実際、預金に対してお金貸しているって感覚あります? ないでしょ?
それに、銀行に預けなければ自宅保管しないといけない。すると、保管に対するコストがかかる。万一の盗難、火災リスクに備えて保険に入る必要もあるかもしれない。
ね? じゃあ、銀行にお金預けたら銀行にお金払ってもよさそうじゃない?
それに、普通はお金の貸し手は焦げ付きリスク(返済不能)を負うけれど、銀行利用者は1000万円までは保障されている。そして、その保険料は銀行が負担しているってわけ。
じゃあ、保険料くらいは払ってもいいよね? やっぱりマイナス金利って合理的。

 

 

お金を借りるという側面からみてみると

マイナス金利でお金を借りるとお金がもらえるわけなんだけど、でも、借りた元本は返さないといけない。
例えば、「0.1%金利払うから、1億借りてちょうだい」って言われても困るわけで。
だって、1億―0.1%利息分は返さないといけないからね。
「1億を使わずにおいといて利息生活!」ってできれば万々歳なんだけれど、その場合、その1億の保管場所に困る。自宅においておくのも怖いし、金庫とかサービスを受けるならその費用が必要になる。
投資する? じゃあ、やっぱりリスクは引き受けないといけない。

お金を借りる人はそういったリスクを引き受けて経済にお金を回すわけなんだから、何も考えずに預金口座にお金を寝かせている人よりも優遇されてしかるべきなんじゃないか?
そう考えるとやっぱりマイナス金利って合理的。

 

 

ということで身近なところで住宅ローンマイナス金利について考えてみる。

借入3000万円・金利マイナス1%のローンを30年で返済するとします。
(本当は月払いだけど、計算めんどいので年払いにします。)
毎年100万円ずつ返済することにする。(3000万円÷30年=100万円)
1年目の利息は3000万円×マイナス1%=マイナス30万円。
ということで返済額は100万円―30万円=70万円。これが1年目の返済額になります。

2年目の利息は2900万円×マイナス1%=マイナス29万円
ということで返済額は100万円―29万円=71万円。これが2年目の返済額になります。

あれ? この方法だと年々返済額が増えていきそうだね。(元金と金利が一定=元利均等払い??)
30年目には99万円の返済。これで完済です。

ちなみに元金均等払いだと、こんな感じ。
1年目。3000万円―30万円(利息)―100万円(返済額)=2870万円
2年目。2870万円―28.7万円(利息)-100万円(返済額)=2741.3万円
こっちのほうが減りが早そうだね。

ちなみにこういうのはどう?
借入3000万円・金利マイナス1%のローンを30年後に一括返済。
1年後の残債:2970万円
2年後:29,403,000円

30年後:22,191,011円一括返済。
ちょっとキツそう・・・。

ちなみにマイナス4%だと、30年後881万円の返済。
マイナス5%だと643万円。
マイナス10%だと127万円。
かなり削られてくる感じに・・・。
ほとんどのローンは返済しなくてもなくなる計算・・・。

マイナス金利の下では、繰り上げ返済をすると損です。
なるべくゆっくり返すことが肝要になります。

うん。やっぱり馴染めないねww

以上。

 

うまくいくと思ったんだけどなあ・・・。