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D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

札束よりも安心感をばらまく必要があるんじゃない?

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QEもマイナス金利も効果は芳しくなく、次なる手としてヘリコプターマネーの可能性が語られています。

 

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QEというのは量的金融緩和のこと。
中央銀行が銀行にお金をばらまいている、その政策のことです。
具体的には、中央銀行が銀行が持っている国債とかを買い取ることによって、銀行にお金を渡す、その手法のことを指します。これによって、銀行内部にお金が増えて、銀行が会社や個人にお金を貸しだしやすくなる、と考えられていました。

マイナス金利とは、銀行が中央銀行に預けるお金に対して手数料を取る政策のことです。実際には全部ではなく、一部分に対して手数料を取る方式になっています。
これによって、日銀にお金を預けるとお金をとられちゃう銀行が他に資金を振り向けることになり、企業や民間への貸し出しが増えると考えられていました。

 

でも、実際にマイナス金利もQEも日銀の意図したようには動いていません。
そんなこんなで次はヘリコプターマネーの可能性が語られているというわけなのです。

ヘリコプターマネーとは?

ヘリコプターマネーというのは、その名の通りヘリコプターからお金を撒くことです。
想像してみてください。空からお金が降ってくることを。ワクワクしますね?

まあ、実際にヘリコプターで空から撒くなんてことはないでしょう。
考えられる方法としては、最近よく聞くベーシック・インカム。このタイミングでベーシック・インカムの可能性が語られることが増えたのはQEやマイナス金利の失敗と無縁ではないでしょう。 ああ。去年実施されたプレミアム商品券。あれもヘリコプターマネーの一環ですね。効果はどうだったのでしょうか?

 

不安が多い時代には、金融政策も財政出動も効果を十分発揮できない。

「マイナス金利が導入されると金利が大幅に引き下げられるので預金をしても無駄。だから、みんなお金を使うようになる」
教科書的にはこれで正解となります。けれど、実際にはどうでしょうか。

スイスなど、マイナス金利が先行導入された国の貯蓄率は預金金利が引き下げられるのと反比例して上昇しています。預金金利の引き下げにより、老後不安が増大。その不安感が国民を貯蓄に向かわせたようです。

日本では、「タンス預金が増えた結果、預金率は低下」となりそうですが、同じ貯蓄でも、口座にあれば一応経済に回りますが、タンス内だとそこで完結するので、経済にはよりマイナスの効果をもたらすものとなりそうです。どちらにしても、マイナス金利は将来への不安感を増大させた結果、より多くの貯蓄に国民を向かわせる結果になることは間違いなさそうです。

ヘリコプターマネーも同じことになるでしょう。
お金をばら撒かれても、みんなそのお金を生活必需品購入に充てて、本来の所得は貯蓄に回すことでしょう。この間のヘリコプターマネー、プレミアム商品券と同じように。

 

 

札束よりも安心感を。

人にお金を使わせるのは、低金利でもなければ、空から降ってくるお金でもありません。
それは、安心感です。
老後への。将来世代への。万一の病気や障害への。

 

日本は現在、QEとマイナス金利で国民にお金を使うことを推奨する一方で不安を煽り、貯蓄を推奨しています。インフレ政策をする傍ら、デフレの旗を振っているというわけですね。
「日本は大丈夫。安心してお金を使ってね」というメッセージはどこからも聞こえてきません。
やれ、投資だ。貯蓄だ。老後の備えは自分たちで頑張れ。国を頼るな。これじゃ、デフレになるのが普通じゃないですか。

 

現在は世界中で負債が増加しています。
QEやマイナス金利を導入して、更に負債を増大させるこの方向性は、更なる不安感を醸成するだけで物事の抜本的な解決にはつながらないのではないでしょうか。そういった漠然とした不安感がみんなの心に芽生え始めている。だから、今までのように金融政策がうまくいかない。そろそろ、世界の負債を削減させるべき時期にきているのではないかとみんな思っているから。
そして、今はデフレを耐える時期なのかもしれません。

 

だから、今は札束をばらまくよりも、ちょっとずつ痛みを伴うけれども、確かに前進していると思えるような政策が必要なのではないのかな、と思うわけです。

以上。

 

 

消費増税は延期と実施のどちらがプラスでしょうね。