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D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

三菱UFJ銀行が国債から決別?日銀への挑戦状になるか。

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先日、三菱UFJ銀行は国債入札の特別資格を返上するとの方針を発表しました。
なんのことやら、と思われる人が多いと思いますので、簡単に解説をしておきます。

 

国債入札の特別資格とは?

銀行や証券会社、保険会社などは、財務省が行う国債入札に参加することによって、国債を購入しています。特別資格というのは、国債発行に関して意見を言ったり、国債が品薄の時にも入札に参加できるという資格のこと。そういった特典の反面、特別資格を持つ金融機関は発行予定の国債の4%を応札する義務が生じる…といったもの。

 

どうして特別資格を返上する方針となったのか。

一言で言うと、「マイナス金利での国債応札義務がきついから」。
マイナス金利が導入されて以降、債券利回りはマイナス圏に沈没。まあ、それでも、買った値段より日銀が高く買ってくれれば、金融機関として損はしなかったのですが、日銀に預け入れるお金がマイナス金利となれば、国債を日銀が高く買ってくれても、日銀に預けた先でマイナス金利として手数料を取られるとあって、マイナス金利導入は金融機関には大きな負担になっているわけです。


マイナス金利以前
① 債券利回り低下(債券価格高騰)
② 日銀がそれより高く買ってくれる。
③ 日銀が支払ったお金を日銀口座に入れとけば、多少利息がもらえる。
④ 金融機関大満足。(問題なし)

マイナス金利以降
① 債券利回り低下(債券価格高騰)
② 日銀がそれより高く買ってくれる。
③ 日銀が支払ったお金を日銀口座に入れたら、マイナス金利でお金を取られる。
④ 金融機関負担大。

三菱東京UFJは、マイナス金利について日銀に対して批判をしていましたが、日銀は「今まで儲けているんだから、大丈夫大丈夫」と取り合わず。そんな感じで関係性の悪化は感じ取れていたのですが、今回の特別資格返上で、その対立がより明確になったような、そんな感じでございます。

 

特別資格返上の影響は?

とりあえず、今回の返上は三菱UFJ一社とあって、そんな大問題にはならないと考えられます。
ただ、今後、マイナス金利幅が拡大することになった場合には、他の金融機関が追従する可能性も。その場合には、国債の需給関係が歪む恐れもあり(要するに売りたいように売れなくなって)、価格が下落(利回りが高騰)する可能性もあるというわけです。
今回の三菱UFJの資格返上により、今後の他金融機関の資格返上を促さないようにするために、これ以上のマイナス金利の深堀が不可能になったという見方もできます。

 

まとめ

つまりですね。
三菱UFJは日銀のマイナス金利に批判的。
それに、国債保有額も大きいし、経営的にも大きな負担。
4%の入札義務なんて重たいぜ。返上しちゃおうぜ。
結果、日銀への更なるマイナス金利の牽制球になるか? 
といったところです。