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D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

スイス、ベーシックインカムが議論の俎上に上る。結果は否決なるも今後の行方は?

経済
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スイスで先日、ベーシックインカムの国民投票が行われ、結果否決されました。

 

最近急に話題になり始めたベーシックインカムなる用語ですが、その意味と今後の可能性についてまとめておきます。

 

ベーシックインカムとは?

ベーシックインカムとは「最低生活保障」のこと。生きているだけで、支給されるお金。ロボットなどによる雇用の減少や入り組んだ行政コストへの解として現在注目されている。

要するに、今後AIとかに人間の仕事は取られちゃうから、人間の最低限の生活を保障するという意味で必要だとされるお金を政府が出しちゃおうという仕組みのこと。生活保護やら、社会保障は要件とかが入り組んでいて、しかも人によって変わるから、わかりにくいけど、全員に一律で支給できれば、行政コストも削減できるよね? というお話。

 

スイスでの投票。

スイスでの国民投票では、このベーシックインカムの導入可否をめぐって争われたわけですが、実際には、否決を見越したもので、目的としては主に問題提起。「ベーシックインカムという制度の可能性についてみんなで考えてみようよ」といったもので、具体的な内容にも乏しいものでした。
スイスは、有権者10万人の署名で投票を行うような仕組みがあるので、実現可能性が低いようなものでも、このような問題提起ができるというわけです。

 

ベーシックインカムの今後の行方は?

現在のところ、資本主義国で導入した国はゼロ。フィンランドやカナダなどでも議論は進むも、導入には至っていません。(カナダは導入実験をするとのことです)
ベーシックインカムを正当化するのは以下の2点が主なもの。
・AI(人工知能)やロボットによる人間の仕事の減少。
・行政コスト削減

ベーシックインカムの導入阻害要因になりそうなのは以下2点。
・財政的な負担
・みんな仕事しなくならない?

お話の方向性としては、AIやロボットの技術が深化すれば、その関連ビジネスや企業が潤い、税収が増えるので、そこからのお金で仕事がなくなった人に支給すれば、みんな万々歳だよね? といったところ。

ベーシックインカムについての議論は大体以上のような感じで、とりあえずスイスでは否決されたのですが、世界に向けてアピールできたという点では、まあ、まずまずといったところなのではないでしょうか。

そんな話を夫としていたのですが、夫は、ベーシックインカムが導入されたら、「絶対働かなくなる」自信があるようです。
そんな人も多いよね。最低限生活ができればいいや、という層は確実にいると思います。

あとは、ベーシックインカムが導入されても、絶対必要な職業があるとすれば、かなりの賃金上乗せをしないとモチベーションの維持が難しいのではないでしょうか。ブラック企業が潰れるのはいいとしても、機械による代替が難しい職業についてはどうなるのでしょうか。給料がめっちゃ高くなる、とかでしょうかね。そのあたりのところも気になるところです。

何はともあれ、財源の面をクリアしないと、ベーシックインカムの導入は机上の空論ですし、現在のところ、雇用のミスマッチの問題はあるとしても、必要な分野(介護や保育など)の人手は足りてないわけで、ベーシックインカムの話よりも先に解決すべき問題がたくさんあるような、そんな気がするわけです。

あなたはベーシックインカムが導入されたら仕事やめますか?
(ま、仕事の質と支給額にも依りますわな。)

スイスでの国民投票は否決でしたが、人生観、お金観、仕事観を見直す、意外といいきっかけなのかもしれません。

以上。