みずほ銀行、ソフトバンク、AIを活用して融資開拓へ。
みずほ銀行とソフトバンクが共同で、人工知能(AI)を活用した個人向け融資事業を始めると発表しました。
個人向け融資事業というのは、「そんな言い方したら分かりにくいやん! サラ金っしょ!」ということで、消費者金融のことです。銀行さんは今年2月からのマイナス金利のせいで、冬の時代に突入。利幅が比較的大きい消費者金融に力を入れているわけなのですが、ここへきて、従来の顧客層とは異なる層にリーチすべく、新しい融資手法、今最も熱いAIを導入すると発表したわけです。
当然のことながら、この流れ、みずほ銀行だけではありません。
新生銀行が筆跡や性別で融資額を判定する取り組みを始めたことは以前にも記事にしたとおり。
また、ソニー銀行も住宅ローン審査にAIを使うことを検討しているとのこと。
以前に新興国などのクレジットヒストリーがない(充実していない)ような国では、過去の金銭借り入れの記録以外の判断指標で融資可否を決定するというお話をしたのですが、(クレヒスがなくても大丈夫?チルドさんでも大丈夫な融資方法が世界にはあるみたい。 - D'ac)、AIでの融資が普及した先には、そういった世界が広がっているのかもしれません。
とは言っても、今回のみずほ+ソフトバンクの取り組みは、携帯の登録人数(交友関係)などを覗くようなものではなく、口座の入出金データだったり、携帯代金支払いだったり、従来と同じ金銭的な取引の流れをみて判断するという仕組みになりそうです。
もとより、携帯代金も本体を分割購入した場合には割賦販売となり、支払いが滞った場合には信用情報にその情報が記載されることにより、今後の借入に影響を及ぼすものです。
それを考えると、借り入れの間口はちょっと広がった程度…と考えた方がいいのかもしれません。
そうは言っても、今まで人の経験値がモノを言う分野だった融資がどんどん機械によって代替されていくという現実。融資の現場は最もAI化しやすい、と言われていたとおりのことが起きています。
利用者側からするとスピード、便利さ、双方とも向上することが見込め、ありがたいことこの上ないのですが、現場の人間としては、人間しかできないこと、その優位性を模索していかなければいけない時代となってきているのでしょう。
以上。