D'ac

元銀行員。子育てられ中。

ボケ防止に!頭のエクササイズ!ちょっとした計算をやってみようよ!!

連休で実家にちょっとお邪魔していたのですが、暇で・・・。実家の本棚から古い本を取り出して計算問題をしていたら面白かったので、みなさんに紹介しようと思います!

 

題して、「やってみようよ! 為替の裁定取引計算!」
いやあ。わくわくしてきましたね?

 

もっとモチベーションを上げるために、この計算をすることで得られるメリットを紹介していきましょう。

1・ボケ防止になる。

頭の体操になるので、ボケ防止になります!
私もかれこれ計算問題なんて10年近くやってないので、パズルのようでワクワクしました! 

 

2・為替への理解が深まる。

為替っていうと、あれです。1ドル=120円とかうんたらかんたら。これへの理解がなんとなく深まるような気がしてきます。

 

3・市場への理解が深まる。

裁定取引っていうと、日常市場で行われている取引ですからね。
この計算をしてみることで、「市場ではいろんな思惑がうごめいているんだな」と納得することができます。

 

おっと! ますますやる気が出てきたのではないでしょうか?

では早速計算問題いってみましょう!!!

 

 

問題
現在1ドル=100円であるとします。
ドル金利が5% 円金利が2%
1年後の先物価格が1ドル=100円であるとき、どのような裁定取引をし、収益はいくらになるか述べよ。

 

*先物というのは、将来時点での売買価格のこと。「1年後にリンゴ一個100円で買いますよ」という契約をしていれば、その時点のリンゴ価格が100より高くても、100円で買うことができる、という契約を結ぶことができる。

 

*裁定取引とは価格差があるところに目をつけて収益をあげようとする取引のこと。香川ではきゅうり1本=100円のとき、高知にて50円で仕入れられるなら高知で買って香川で転売する。これも広義の裁定取引になる。

 

1問目なので一緒に考えていきましょう!
まず、1年後のドル円の理論値を求めていきます。
現在1ドル=100円なので、1ドルを5%で運用した結果と100円を2%で運用した結果が同じになると考えます。
つまり、こう。
1ドル×1.05=100円×1.02
つまり、1ドル=100円×1.02÷1.05=97.14円となります。
ドル利率が5%で円利率が2%のときの1年後のドル円の理論価格は97.14円ということになります。

 

ところで、1年後の先物価格はいくらでしたでしょうか? そう1ドル=100円。理論値に比べると大分円は割安。ドルは割高ですね。(ドルを買おうと思うと理論上では97円で買えるのに、先物価格では100円必要なため割高。逆に円を買おうと思えば、理論上では1ドル出しても97円にしかならないのに、先物であれば、100円受け取ることができるため。為替の2面性を理解しておこう。)

 

では、以上の先物価格と理論値の差に着目して裁定取引を構成していきます!


①理論的には1ドル=97.14円ですが、先物価格は1ドル=100円。
つまり、普通にいけば1ドルは97.14円にしかなりませんが、先物価格で円を買うことができれば、100円をゲットすることができます。
ということで1年後に1ドル=100円でドルを売りますよ(円を買いますよ)という予約をする。

 

② ①で「1年後にドルを売りますよ」という契約をしたので、ドルを調達する。
1年後に1ドルになるように借入。
ドル金利は5%なので、1年後に1ドルにするために預ける必要があるドル額は、0.9524ドル。(=1ドル÷1.05)
0.9524ドルを現在預け入れて、1年後に1ドル受け取る預金契約をする。

 

③ドルを運用するために円でお金を借りる。1ドル=100円なので、0.9524ドルを預けるために必要な円は95.24円。
95.24円を借りる。円金利は2%なので1年後の返済価格は97.14円(=95.24円×1.02)

 

④1年後、①での権利行使(ドル売り)をして②の1ドルを手放し、100円を受け取る。③の円の借入金を返済する。
100円―97.14円=2.86円。
つまり、以上の裁定取引で2.86円の利益を得ることができる!

 

 

こうやって一個ずつやっていくと簡単ですね。

ということでもう一問おいておきます。

 

問題
1ユーロ=150円
ユーロ金利は4%、円金利は1%のとき、1年後のユーロ円は140円だったとき、どのような裁定取引をして、利益はいくら受け取れるだろうか。

 

解答はコメント欄にどうぞ!!

 


こんな感じで市場では日々裁定取引によって利益をあげている人たちがうごめいています。
とは言っても現実には、こんなに簡単に儲けを出すことはできません。というのは、裁定取引自体による実需によって価格は変わったりもしますし、為替予測はその他の実需によって左右されるものであること、また調達金利も人によって変わったりもするから等という理由が挙げられます。

 

 

とはいえ、この計算をすることで為替取引をする上での基本のようなものが身につくのではないでしょうか。考え方、とでも言いましょうか。

 

連休の中日ですし、ちょっと頭のリフレッシュに考えてみるのも楽しいに違いありません!

 

以上です!