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D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

確定拠出年金の節税策メリットを受けるには、受け取り方に注意する必要がある。

DC(401K) or iDeco
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前回、確定拠出年金(以下、DC表記)の毎年の所得税還付は、将来の受け取り時の課税分を先に返還してしまう制度であって、節税策ではない、という話をしました。

 

なんかややこしいけれど、簡単にいうと、DCを漫然とやるだけでは、節税にはならないということ。
だって、先に税金を還付されても、受け取る時には取られちゃうんだもの。
 
私も以前、勘違いをしていて、DCは節税策としていい! って思っていました。
さてさて、DCは節税策ではない。ということですが、受け取り時にちょっと工夫すれば、節税策になるかもしれない! ということで、受け取り時に気をつけたいことについてここではまとめていきます。
 
注意事項)ちなみに、退職金や年金はその人の働き方、所属している組織、掛け方によって異なるので万人に当てはまる節税策というものは提示できません。自身の年金、退職金額を確認したうえで各々対処していく必要があります…。が、ややこしいので、みなさんがDCを受け取る時期がくるまでになんとかしてほしいですよね。お金持ちしか使えない節税方法、とかパナマ文書かよ、みたいな。
 

DCの受け取り時にはどのようなフレームで所得税が取られるのか。

DCは受け取るときに所得税を取られちゃうんだよ、だから、節税策にはならないんだよ〜っていう話だったわけなのですが、DCはどのようにして、所得税を取られるのかというと、今までの税金と同じフレームの中で処理されることになります。
 
まだ退職してない人には馴染みがないし、税制というのはなにかと面倒なので、難しく感じるかもしれません。
 
簡単にいうと、DCの受け取りで税金が発生する経路は2通り。一時金でまとめて受け取る場合には、退職所得として課税されます。年金形式で受け取る場合には、年金受け取りの枠で課税されることになります。
だから、話をすごく簡単にしてしまうと以下のとおりになります。
 
退職金が少ない人、もしくは退職金がない人は、DCを退職金のように使えば課税額を減らすことができるし、年金が少ない人はDCを年金形式で受け取る方が課税額が少ない。
これです。もちろん、受取額によって変わってくるので、必ずしもその通りになるとは言えないのですが、退職金がゼロ円の人であれば、DCは退職金代わりに受け取った方がいいのは間違いのないことです。
そして、重要なことですが、DCは一時金として受け取るのと、年金として受け取る方法が併用できます。だから、自分にとって一番いい方法を計算して算出しないといけないわけですね。
 

ちょっと計算してみよう。

さてさて、ということでちょっと計算していきたいな、とおもいます。
具体例があったほうがわかりやすいですしね。
でも、細かい数字が嫌いなので、ザックリやります。
 
前提)
退職所得控除…退職金にかかる控除。退職金とDCを合算したうえで使える枠。
勤続年数20年以下;40万円×勤続年数
勤続年数20年超;70万円×(勤続年数ー20年)+800万円(40万円×20年)
以上の控除をしたうえで2分の1にしたものが所得になります。
 
 
公的年金等控除

f:id:peticonbu:20160417060357j:plain

 
国税局HPから。
 
ということになります。
 
例1)勤続年数30年。通常の退職金が1000万円。DCが500万円の場合。
勤続年数が30年なので、70万円×10年+800万円=1500万円が退職所得控除に。
となると、通常退職金+DC一時金=1500万円となるので、1500万円ー1500万円=0円となり、DCの受け取りに所得税はかかりません。
 
例2)勤続年数30年。通常の退職金が3000万円。DCが500万円の場合。
勤続年数が30年なので、退職所得控除は1500万円。
3000万円+500万円ー1500万円(退職所得控除)=2000万円。
2000万円×1/2=1000万円
 
1000万円の所得ということは、1000万円×33%ー1,536,000円=1,764,000円の課税になります。
所得税の計算方法。

f:id:peticonbu:20160417060527j:plain

 
これ、DCを一時金として受け取らなければどうなるでしょうか。
3000万円ー1500万円(退職所得控除)=1500万円。
1500万円×1/2=750万円
 
750万円×23%ー636,000円=1,089,000円の課税。
 
で、残り500万円を時期をずらして、退職金として受け取ります。
退職所得控除は使えないとしても、半分の250万円。
250万円×10%ー97500円=152,500円に。
これだけでも大きいのですが、所得税だけではなく、住民税(10%)もかかると考えると、その差は140万円にもなります。
 
ということは、この場合には、DCの受け取り時期はずらしたほうがよさそうです。
 
ずらし方も2通り。
時期がずれた退職金として受け取る方法(上記)、そして、年金として受け取ることもできます。
 
例3)例2と同じ受取額で、DCを年金として受け取る。
DCを年金として受け取る場合、65歳未満であれば、年間受取額が108万円以内であれば(他に所得がない場合)、所得税はゼロ円になります。つまり、65歳の公的年金を受け取りまでに分割して年金形式で受け取れば、402,500円(所得税、住民税)の節税になるということです。
 
とここまで書いてきて、退職金3000万円なんて(私にとっては)現実味のない数字ではなく、もっと具体的なものにすればよかったなあ、なんて後悔。ってか、退職金出るのかな。DCは節税策にならない、なんて杞憂になってしまうような、そんな予感。
 
ということで、年金やら、退職金が多い人はDCの受け取り方を注意しないと、結構税金で持っていかれますよ。ということで気をつけておきましょう。年金形式で受取額が増えたら、社会保険料が上がる…なんてこともありえます。
 

まとめ

最後、ちょっと他人事っぽくなってしまいましたが、まとめておきます。
DCは受け取り方で税金の額が変わってくるので注意しましょう。
受け取り方は大きく分けて4つ。
①退職金として受け取る。(会社の退職金が少ない、OR ない人ははこれ大丈夫)
②会社の退職金とずらして、一時金(退職金)として受け取る。
③年金形式で受け取る。
④年金形式と一時金形式を併用する。
 
以上の対策は、実際に自分自身の年金額と退職金額をきちんと把握しておかなければ、お得な方法は導き出せません。不安な方は、自身のDC開設をしている金融機関に、自分にとってベストな受け取り方を聞いてみましょう。そこまで押さえて利用することができれば、やっぱり、DCは節税策としていい制度だと評価できるのかもしれません。
 
以上。
 
追記)年金形式で受け取る場合には引き出しの都度、金融機関に手数料を支払う必要があります。退職金がない、もしくは少ないという人は、一時金受け取り一択になるのかもしれません。