D'ac

元銀行員。子育てられ中。

投資をするときはリスク以外にもコストを意識しよう。

最近は多少金融教育が功を奏してきたのか、投資商品と預金を間違えるような人は減ってきたように思います。金融機関は当然、顧客が投資商品と元本確保型の商品(預金)を誤認しないように、指導を徹底させています。それでも、まだわきが甘いなと思うようなところもあるのですが。

 

ということで、投資のリスクの解説を簡単にした後、コストについてまとめておきます。

 

投資のリスクとは?

投資にはリスクがつきものです。
というときのリスクというのは、価格の変動可能性のことを指します。一般的には、「リスク」=「危険」みたいな認識ですが、投資を語る際のリスクというのは、価格の変動、つまり、値上がりも値下がりも両方ひっくるめた概念になります。

株にはリスクがあります、といった場合、株は値上がりする可能性も値下がりする可能性もあるという意味になります。リスクという言葉それ自体は、ポジティブでもネガティブでもなく、中立的な表現である、ということになります。

これに対して、預貯金は最初に出した元本が額面で損なわれることは基本的にはありません。「基本的には」といったのは、1000万円以上の預貯金は銀行が破たんした場合には銀行の支払い余力に応じて、返還されない可能性もあるからです。1000万円以下はペイオフという制度で守られます。
投資商品に関して言えば分別管理されているので、1000万円以上であっても、銀行破たんした際にも保護されます。

「額面で」といったのは、価値的には損なわれる可能性があるからです。例えば、インフレ。
インフレというのは、「モノの値段が上がること=お金の価値が下がること」なので、預貯金をリスクフリー商品として完全に信頼してしまうのもどうなのかなあ、と思う次第です。

リスクについては以上のようになります。ということで、投資のコストについてまとめていきます。

 

投資のコストとは?

投資のコストは株の売買をするときの手数料が代表的なものです。
ネット証券で売買を行えば、このコストは最低限に抑えられます。どこで買っても、同じ銘柄であれば内容は一緒なので、株を売買するときはネット証券を使いたいところです。

さて、次は、投資信託のコストについてお話しましょう。
投資信託というのは、投資を信託する商品。プロが代わりに株や債券で運用してくれる商品。つまり、株を売買するよりも余計なコストがかかります。まあ、仕方ないですよね。代わりに運用してもらっているのだから。

この投資信託のコストは主に3つ。
・購入時手数料。
・信託報酬
・信託財産留保額

購入時手数料はその名の通り、投資信託を購入するときの手数料です。
信託報酬は投資信託を保有している限り発生する手数料。日割りで差し引かれます。
信託財産留保額は、投資信託を換金するときに引かれる手数料。

最近は購入時手数料がない投資信託も増えてきました。信託財産留保額もないものが多いです。
信託報酬もどんどん値下がりしています。
この3つのコストを計算して、利益を出すためにはどのくらいの運用利益が必要かを考える必要があります。

そんな感じで、投資をするときは、リスク以外にもコストを意識するようにしましょう、というお話でした。銀行窓口ではかなりサラッと説明してくれます。
商品説明パンフレットでも、小さい字で書いています。

銀行で勧められたときには、「じゃあ、実際に信託報酬とかのコストを全部含めてどのくらい伸びたら利益が出ますかね?」とかなんとか一応聞いて数字を出してもらいましょう。

そのうえで買うかどうかを判断してください。

以上。