D'ac

元銀行員。子育てられ中。

住宅ローン35年は時代遅れのバカの戦略?

某イケハヤ氏が先日、なんとも攻撃的な記事をアップしておりました。
私のブログは住宅ローンネタ多めとあって、ちょっとスルーせずにいきたいところです。

 
元記事の魚拓はこちら。

http://www.ikedahayato.com/20150807/39107736.html - 2015年8月11日 04:57 - ウェブ魚拓


なんか、これを読んでイラッとした人は多いようです。
でも、私の感想としては、「まあそういう人もいるよな~」ってところ。

 

宗教論争。

ローン否定派とローン肯定派。持ち家派と賃貸派。これはもう、一種の宗教論争だと思っています。


別に、どっちが悪いわけでも間違っているわけでもない(個人レベルでは。経済レベルでは、ローン(借金)は肯定されるべきものでしょう)。

 

キリスト教徒がイスラム教徒を否定するのが間違っているように。
ウインドウズユーザーがマックユーザーを否定するのが間違っているように。
冬でもコタツでアイスを食する私を夫が批判するのは間違っているように。

 

一方の宗派が何かを言い張ったって、特に害がない場合には、「ま、そういう人もいるよね」くらいでスルーするのが鉄則。

 

35年ローンはばかげているのか?

とはいえ、35年ローンを組んで大変な思いをしている人が某氏の記事を読んで「あー、俺、間違ったのかなあ」なんて思い始めるとちょっと可哀想かなって思うので、35年ローン肯定派から、35年ローンのメリットを語っておきます。

 

借金は健全な経済活動である。

経済というのは、借金(融資、信用創造)で回っています。


たとえば、事業資金が1000万円の事業があるとします。ふつうであれば、年間200万円ずつ貯金したとしても、新規でスタートするためには、5年間貯蓄する必要がでてきますよね。

 

でも、借金をすることで、5年という期間を経ずしても、その事業を始められます。で、年間2000万円以上の富を創出することができれば、その無為になるはずだった5年間で1億円もの価値を生み出すことになります。

 

これって、個人の住宅保有や車のローンなんかでも一緒ですよね。車がなければ通勤が難しいような場所で仕事をする場合なんかは、車のローンを利用して車を買うことに経済的な意味があることは明らかでしょう。

 

私のところは住宅ローン35年組んでいますが、夫の現在の職場に通うのに便利だったこと、あとはもろもろの個人的な理由込みで、いい判断をしたものと考えています。

 

個人レベルで言えば、借金にアレルギーがある人はいますよね。別にその生き方を否定するつもりはありません。でも、全体レベルでいうと、借金(融資)は重要な経済活動であるし、ましてや住宅投資は国家レベルでも大きな要素なのです。それらの経済活動の恩恵を受けていない人はいないと思われるので、そういった人たちをただバカにするような発言は成熟していない子どもなんだな~と思わざるをえません。

 


とはいえ、こんな原則論では不安が収まらない人もいるでしょう。
次。

 

一つずつ反論してみる。

35年間、借金を返し続けるの?w

高金利ならともかく住宅ローンの金利は1%ちょっと。この金利で2000万円やら3000万円やらのお金を借りるチャンスは普通であれば、まず有り得ません。


年間2%や3%の利回りの投資先があったら、繰上返済を行うよりも借りたまま、その資金を投資に振り向けた方がいいレベル。

 

そして、大抵の人は退職金やら、貯蓄なんやらで35年間もかけずにローンは返し終えます。普通に賃貸に住んでいてもかかる費用なので、外野の声は気にせず粛々と返し続けましょう。

 

もっとも突っ込みたいのは、35年以上も同じ家に住むつもりなの?という点。
(略)
「35年」って無意味に長すぎません?(略)35年ローンを完済する頃には、子供部屋が不要になって家がガラガラ、なんて虚しいことになります。

 

あ、はい。35年どころかそれを超えても住むつもりです。あんまり引っ越しするの好きじゃないですし、同じところに住んでもいいと思っています。別に家って「飽きる」ものじゃないので。家がメインじゃないですよね。そこから、出かけていくんです。そして、帰って、ゆっくりして、寝る。


あー。そっか、某氏は家で仕事しているから、そう思うのかな。私も職場は定期的に変えたい人間なので、それならちょっと分かる。

 

家、そんなに広くないので、家がガラガラなんてことにはならなさそうです。マンションだし。

 

震災起きたらどうするの?w

35年の間に、多分震災が起きますよね。どこもやばいんじゃないでしょうか?

 

あ、はい。どこもやばいですよね。賃貸でも小さい家でも関係ないんじゃ・・・。

 

「地震保険があるから大丈夫」?

何を言っているのか、あなたが大丈夫ですか?いつ来るかわからない震災のために高い保険料を毎月払ってまで、家を建てる意味ってあるんでしょうかね…。

 

地震保険は基本的には役には立たないでしょう。一応、地震がきても大丈夫なレベルの建物と津波の影響がないところを購入したつもりではありますが・・・。こればっかりは何とも言えませんね。


しかし、某氏はいつも地震リスクなんて考えて生活しているんでしょうか。消耗しそう・・・。

 

自然災害とかは、いつ起きるか分からない。最低限の備えをしたら、後は忘れて生活したほうが健全な気がします。あと、勘違いしている人もおおいのですが、地震保険は家を建て直す費用とかではありません。生活再建用のお金。

 

地震保険は、地震時の生活再建のための費用なので、賃貸の人も入ったほうがいい人は一定数存在します。火災保険も賃貸の人でも入っている人が多いはず。だって、家財とかあるしね。

 

今日死ぬかもしれないじゃんw

 

死んだら、団体信用生命なるものが住宅ローンに付帯しているので、住宅ローンの残債はゼロになります。
問題なし。

 

生命保険とかがん保険とか入るんでしょうか?w そして固定費が上がっていくという…

 

住宅ローンを組んだら、万一の場合の遺族の住居費が不要になるので、保険はある程度断捨離しましょう。というか、生命保険とかガン保険はある程度貯蓄があれば不要なので、この指摘は住宅ローンとは関係ないところにあるかと。

 

安い家・小さい家を、一括ないし短期のローンで購入するのが一般的になっていくでしょう。

 

某氏は、35年ローンでも賃貸でもなく、安くて小さい家を購入するらしいです。

うーん。でも、これって転売できなさそうですよね。使い終わったらゴミ? 非エコなイメージ。


今、日本も徐々に力を入れていますが、今後は中古住宅の有効活用が必要となってくるのではないでしょうか。


使い捨ての住宅産業から、再利用可能な持続性の高い住宅産業を。

耐震性とか諸々のことが考えられた住宅を長期で利用する。主流は新築ではなく、リフォームになる。そういうのが望ましい形かなって思います。

 

35年ローンとか弊害多すぎるので、そろそろ法規制したほうがいいと思うレベルです。

 

確かに銀行にとっては、35年もの長期を低金利で貸すのは弊害が大きいです。できたら、みんな変動か短期間の固定で借りてくれたほうがありがたいって思っていますよ。将来の金利上昇の備えが容易ですからね。今の超低金利での住宅ローン貸し出しは収益性が低いので、住宅ローン部門は力を入れていない銀行も散見されます。利用者からみれば今の金利水準で35年固定できれば御の字、といったところでしょう。

 

万一、国が35年ローンを法規制した場合には、「利用者保護じゃなくて銀行保護に走った!」って判断するでしょうね。

 

 

と、反論をいっぱいしてみましたが、別に35年借金したくないっていうんなら、それはそれでいいと思うんですよ。個人の自由ですしね。ただ、そんなに煽らなくても・・・と。まあ、そういう芸風なんだろうな。

 

そんなわけで、我が家もローン返済頑張ります!!

 

以上!