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D'ac

元銀行員。現在:写真撮影・加工。金融ライター・翻訳。子育てられ中。

NTT株の再来?儲けるチャンス?いやいや素人は手を出さない方がいいかも?ゆうちょの上場まであと少し!

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この秋に予定されている郵便局の上場まであと少しとなりました。今年のIPO(新規株式上場)はほとんどが公開価格を初値が上回っているとあって、NTT株の再来とも言われる郵便局の上場がいまかいまかと待ちきれない人も多いのではないでしょうか。

 

 

「郵便局 上場」なんてググってみると、あまり詳しい解説を載せずに、証券会社口座の勧誘だけをしているサイトが目につきます。まあ、大抵のIPOが儲かっている現状で言えば、買ってすぐ売って利益を確定するという方針でもいいのかもしれません。

それに「もう分かっている」という人は買いやすい証券口座を探した方がいいですしね。

 

けれど、私の座右の銘としては、
「自分でよく理解できない(金融)商品を買う場合は、カモられることを覚悟した上で行いましょう!」ということなので、一応、郵便局の上場というやつの課題や問題点を提起しておきたいと思います。
*儲かるから買おう、なんて言われて投資商品買ったらダメですよ。

とその前に用語解説。

IPO(新規株式公開)とは?
会社が新しく上場して、株式を売り出すこと。
IPOで株投資をするということは、株を買う権利を手に入れることを指します。
そのあと、実際に上場して初めて値段がついたとき(この値段を初値という)に手放すことで利益を確定します。もちろん、そのまま保有していても大丈夫。でも売る人が多いのかな。
IPO株投資ができるかどうかは、抽選で決まります。ほぼ儲かるし抽選ということで、「宝くじのようなもの」と言う人もいます。

 

では、郵便局の上場の話をしていきましょう。

 

1・郵便局の上場? ゆうちょの上場?


何となく、郵便局の上場、というふうに考えている人も多いようです。
正確には、日本郵政とかんぽ生命保険とゆうちょ銀行の上場です。日本郵便は上場しません。


日本郵政が親会社。残りの3つは子会社です。

今から10年前の2005年に成立した郵政民営化法を受けて、2007年に郵便事業が保険、銀行、郵便事業に区分けされました。んで、親会社として日本郵政がデーンと。
小泉首相が「郵政民営化」を唱えて衆議院を解散したことはみなさん記憶にあるのではないでしょうか? え? 産まれてない? 嘘つくなって。

 

なんか分かりにくいので何となく全部「ゆうちょ」とか「郵便局」って考えている人も多いようです。一般的なユーザーであれば、それで困ることはありません。郵便局は郵便局!

 

2・こうゆう上場って普通なの?


説明したように、親会社・日本郵政と子会社の二つ、かんぽ生命保険とゆうちょ銀行の3社が上場します。みんなが郵便局って思っているやつ・日本郵便は上場しません。
なんか分かりにくいね?

 

こういった上場は一般的ではありません。親会社と子会社が一緒に上場する「親子上場」自体はそんなに稀なことでもないのですが、親会社と子会社の株主の利益が反することもあるので、あまり望ましい形ではありません。親子上場を解消する上場企業も多くあります。

 

郵便局も例外ではありません。そのうち、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は親である日本郵政とは切り離される予定です。そうなれば、郵便局と言われるものは全体として、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵政(傘下に日本郵便)となり、今よりは分かりやすい形になりそうです。

 

3・稼ぎ頭のかんぽとゆうちょ。


日本郵政全体としての収益をみると、主に稼いでいるのはかんぽ生命とゆうちょ銀行。言ってみれば、お兄ちゃん2人が親と末っ子の日本郵便を養っているということになります。
兄2人(かんぽとゆうちょ)は、手数料という形で末っ子(日本郵便)に多くの利益を還元。
この構造が問題になってくることは間違いありません。

 

4・兄の躍進、末っ子次第。


上で、かんぽとゆうちょの利益を手数料という形で日本郵便に還元しているという話をしました。
これの何が問題となるのでしょうか?

 

かんぽとゆうちょが上場するということは、かんぽとゆうちょの経営に一般株主の監視が入ってくるということです。
かんぽとゆうちょが日本郵便に支払う手数料が高すぎると、株主は黙っていられませんよね?


それでも、この手数料があってこその日本郵便の黒字。日本郵便は上場しないわけですから、コスト削減努力をどこまでできるのか不透明。

 

5・日本郵便のコストはどうすべき?


「一般企業は身を削ってコスト削減しているんだから甘えてないでやれよ!」なんていう声も聞こえてきそうです。
まあまあ、そんな鼻息荒くしないでください。

 

全国に郵便局しかない町村が24か所。一般金融機関が収益が望めないからといって、手を出さない場所が24か所。それを考えると民間金融機関と同じだけの規律を求めるのも酷なもんです。

 

この民間金融機関は展開しない地域にも郵便局があるのは、郵政民営化法案の中に「ユニバーサルサービス」というものが義務つけられているからです。つまり、全国どこでも公平にサービスが受けられるということ。そういうことなので、郵便サービス自体は全国約8割で赤字なのも仕方ないっちゃ仕方ないよね?
このユニバーサルサービスを支えるコストをゆうちょやかんぽは支出しなければならない。
ゆうちょやかんぽの株を買おうっていう人は、このことを忘れないようにしましょう。

 

6・今後の成長戦略は?


この間、ゆうちょが三井住友信託銀行や野村ホールディングスと資産運用会社を立ち上げると発表したことは記憶に新しいのではないでしょうか?
「ゆうちょは民業圧迫だ」なんて鼻息荒くしていた民間金融機関に、ゆうちょとうまくやっていこうという機運が生まれつつあります。ゆうちょが全国にもつ拠点網を民間の金融機関も有効利用していこうといったところです。

 

とはいえ、ゆうちょの住宅ローン事業はまだ認可されていません。ゆうちょの住宅ローンはスルガ銀行が請け負ってますね。独自の商品開発にはまだまだ時間がかかりそうです。完全上場となるまで、ゆうちょ銀行の住宅ローン開拓は認可されない見通しだからです。

 

現在は、投信などのリスク性商品を売ることのできる人材を育成することに力を入れている模様。
国債の運用益が収益の大きな柱である現状はしばらく変わることがなさそうです。

 

7・政治的なリスク


郵便局は政治的な思惑に翻弄されてきました。
小泉首相による郵政民営化については既にふれたとおりです。


先々週は、自民党の特命委員会で郵貯の限度額を段階的に3000万円まで引き上げるとの提言。
ゆうちょと協調してやっていこうという民間金融機関との機運に冷や水を浴びせる格好となりました。


郵便局絡みで投資をする場合には、このような政治の意図は切っても切り離せないかもしれません。

秋口に予定される郵政上場。以上のリスクと注意点を頭に入れたうえで検討してみましょう。
ちなみに、NISA枠内で買える額になるらしいのでNISAも一緒にどうぞ!


以上!

 

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