なんでもマイナス金利って言うな!!! 手数料は手数料です!
最近、預金金利の引き下げが続いています。
それと同時に金利の最下限が意識されているようで、預金金利のマイナス化が起こるか、なんて議論もあるようで。
そんな中、より現実味があるプランとして「手数料引き上げ」なんて議論が持ち上がっています。
「手数料が引き上げられる結果として、預金金利はマイナスになる!!」
ってことらしいです。
そして、預金を引き出す手数料を払っている人は実質的にはマイナス金利になっている・・・なんて論調も出てきたりして・・・
でも、ちょっと待ってください。
一つ言わせてください。
手数料はマイナス金利じゃない!
「手数料と合わせるとマイナス金利」ってまあ、確かに数字の上ではそうかもしれないけれど、手数料はマイナス金利とは違いますよ。そこらへん、混同しないでくださいよ。ってそういう風に思うのです。
手数料は手数料!
手数料は手数料です。
というのは、手数料という名目でかかると、消費税の負担もありますよね。銀行ATMとかを有料で利用する人はご存知でしょうが、ATM手数料は108円です。そのうちの8円は消費税です。
金利だと、消費税の負担はないです。むしろ、住宅ローン減税みたいな形で金利を支払う人は、何らかの税金優遇があってもいいくらいじゃないですか。
手数料導入だと、逆に経済活動が阻害されない?
マイナス金利であれば、お金を口座においておくと自動的に目減りしていくので、なるべく早くお金を使おうという圧力がかかります。けれど、振り込み手数料やATM手数料の増額であれば、なるべくみんなお金を動かさないようにしようとするじゃないですか。なるべくお金は使わない、そういう方向に動いてもおかしくない。
お金持っていない人の方が相対的に負担は大きくなる。
マイナス金利であれば、残高を積み上げている人の方の負担が大きいですが、手数料導入であれば、小口の利用者のほうが相対的に負担は大きいことになります。
まあ、小口の利用者はタンス預金もしやすいので、逃げ道があるといえばあるのかもしれませんが。
住宅ローン減税なんかは、利用者の利息負担を軽減する制度なので、「併せてマイナス金利!」とか言っても、まあいいのかなって思うのですが、「ATM手数料とかも併せてマイナス金利」というのはちょっと行き過ぎなんじゃないかなあ、って思います。そうやって、利用者の負担感にマイナス金利という言葉をおっかぶせて煽っているようにみえるんですよね。もしくはマイナス金利って言いたいだけ?
ただ、システム上、法律上、色々な障壁があって、マイナス金利の負担を顧客に転嫁できない金融機関が手数料という名目でその負担を顧客に転嫁する・・・という流れの危機感を煽るという意味では一つの戦略なのかもしれません。
当ブログでは何度も言っているのですが、マイナス金利はその負担を一般利用者に転嫁しないと完成しないシステムです。その負担がどういう形で利用者に課されるか、それは、今後の経済にも大きな影響を与えるのではないでしょうか。
まとめ。
・手数料はマイナス金利とは税金上の仕組みが違う。
・手数料だと逆にお金は動かなくなる。
・手数料だと小口の利用者の相対的な負担が重たい。
「手数料と併せてマイナス金利」って、マイナス金利って言い方しなくてもよくない? 単に「負担が増えますよ」って言えばよくない? という問題提起と、手数料導入だと、マイナス金利より経済効果が悪いかもよ、という問題提起が混じって、わかりにくくなったエントリーでした。
以上。