アメリカ利上げで住宅ローン金利も上昇? アメリカ利上げの基礎と現状を夫に説明してみた。
「住宅ローン金利がアメリカの利上げに影響されるって本当?」
先日書いた記事について、夫に尋ねられました。
「じゃあ、アメリカの利上げ説明しよか?」
「別にいいわ。」
「まあ、そう言わずに」
というわけで、アメリカの利上げについて夫に無理矢理説明していきます!
夫のスペックは以下のとおり。
携帯とかでは見てるみたい。
投票も促されると行くけれど、ほっておくと行かない。
ラブライバー。
デブ専。
まずは、簡単にザックリ・説明!
アメリカで利上げが行われると、アメリカの債券を持っていたほうが利益が上がります。だって、どうせ買うなら利率がいい債券の方がいいもんね。
日本の国債を買っていた人も、アメリカ国債の方が儲かるから、そっちにシフトする。
そして、日本の長期金利が上昇して、結果、住宅ローン金利が上がる。
以上。
そんな感じで、もっとよく知りたい人は下も読んでいってね。
住宅ローン金利は長期金利を基準に決定される。
住宅ローン金利は、日本の10年物国債の金利を基準に決定されます。だから、10年物国債の金利が上がれば住宅ローン金利も上がるし、下がれば下がる。
「来月の住宅ローン金利はどのくらいになるのかな?」って興味がある人は、10年物国債金利を見ておけばいいでしょう。新聞に載っています。
長期金利はどのように決定されるのか。
国債を買いたいという人が多ければ多いほど金利は下がる。少なければ少ないほど上がる。
詳しくはこちら。
「アメリカ国債の方がお得だよね~」となった日には、みんなアメリカ国債買うから、日本の国債が売れない。そうすると、長期金利は上昇することになる。
「みんなが日本の国債なんていらないよ~! 日本ヤバいんでしょ?」と言った日には、国債価格は大暴落して、金利は超高騰しちゃうよね☆
利上げってなに?
国の中に一つ、金融システムの中心を担う銀行があります。それが中央銀行。
中央銀行は、(本来は)政策金利の上げ下げを通じて、市中に出回るお金の量を調整しています。
景気がいいときには、金利を引き上げてお金の流通量を減らす。
金利が高くなると、みんなお金を借りることを控えるよね。そうすると、市場のお金の流通量が減る。これを通じて、インフレ(物価上昇)を防ぐことができる。
逆に景気が悪いときには、金利を引き下げてお金の流通量を増やす。
金利が下がれば、みんなお金を借りて設備投資や住宅購入をするよね。このように、中央銀行は金利を操作することによって、景気をコントロールしている、というわけなのです!
「利上げをする。」 要するに、アメリカ景気は今順調なのです。だから、利上げの時期がいつになるのかに焦点が当たっているというわけです。
利上げってそんなに特別なことなの?
通常であれば、利上げ、利下げ自体はそんなに特別なイベントというわけではないです。もちろん、景気の良し悪しを反映した決定事項というわけですから、ある程度のインパクトはある。
けれど、今ほど注目されることは本来はない、かな。うーん。一応、いっつも注目はされているけど、今回は特別の特別!
どうして今回は特別なのか?
それは、現在アメリカがゼロ金利だからなのです!
ゼロ金利って何?
ゼロ金利とは、その名のとおり、金利がゼロのこと。
つまり、これ以上景気が悪くなっても金利を引き下げることによって、景気の調整ができない限界のラインに立っているということ。
金利がゼロの状態では、中央銀行は金融政策において上手く舵を切ることができない。そう考えてもらえたらいいのかな。
だって、景気が悪化しても、「金利を下げて景気を刺激しよう!」という手段が使えないもんね。
ゼロ金利の間の中央銀行の金融政策の手段は?
とはいえ、ゼロ金利の間、中央銀行が無策だったわけではないんです。
じゃあ、ゼロ金利の間、中央銀行がどのように景気に働きかけを行ってきたか。
簡単に言うと、金利を使って市場の資金量の調整ができないわけだから、直接お金を流し込むことで市場の資金量を調整する、という働きかけを行ってきたわけです。
この直接お金を流し込む手段は量的金融緩和って呼ばれています。アメリカの中央銀行(FRB)、日銀、あとはEUの中央銀行(ECB)もこれを採用。ちなみに、金利を使った市場への働きかけは、質的金融緩和って言われたりもします。うん。覚えなくっていいんだよ。
じゃあ、どうやって、直接市場にお金を流し込むのか。それは中央銀行が市中に出回る債券などを買いとることによってだね。
日銀は銀行から国債を購入することで銀行に資金を流し込んでいるんだよ。
資金量の調整と言う意味では同じ効果が期待できるとされます。(厳密には違いますが、ここではそのように捉えておいてください。)
アメリカの金融緩和の経緯。
さてさて、アメリカの中央銀行の話に戻りまっしょい。
アメリカの中央銀行、これはFRBと呼ばれます。
FRBも量的金融緩和を行ってきました。日銀と同じように市場の債券を買い取ることで市場の資金を増加させていたわけです。けれど、景気回復とともに、資産買い入れをストップ。景気の調整のために資産買い入れを行っていたわけだから、景気が良くなると辞める必要がある。日本はまだまだ。ECBもまだまだ。
資産買い入れをストップしてから、金利引きあげを探るところまで回復してきました。
順調ってこと。
急がなくても、しっかり景気回復してから引き揚げたらいいんじゃない?って声もありますが、いざ物価が上がり始めた時に急いで金利を引き上げるのでは、インフレ防止に間に合わない可能性があります。それに、今後景気が再度停滞し始めた時に、金利の引き下げ余地を作っておいて、金融政策の手段の幅を広げておきたい、そういった思惑があるようです。
ではでは、以下では、アメリカの利上げによって起こりそうなこと、そして、利上げ時期、アメリカ経済が本当に順調か、というところまでザックリお話して締めたいと思います!!
アメリカの利上げによって起こりうる事態。
一番心配されているのは新興国経済。
アメリカが利上げを行うことで今までに流れ込んでいた資金が逆流し始める。
その国の通貨は売られて(通貨安)、そして株式市場も暴落するかもしれない。
心配されている国は以下の通り。
・トルコ
・南アフリカ
・中国
などなど。
株はどうなるのかな?
さっきも話をしたように、日銀とECBとFRBはこぞって市場に資金を流し込みました(量的金融緩和)。そのため、市場にはお金がじゃぶじゃぶ溢れています。でも、うちの財布は空っぽです。誰かうちの財布にもお金を注ぎ込んで・・・。アメリカは量的金融緩和、つまり資産の買い入れはストップしているけれど、その資産はまだ持っている。新規買い入れを停止しただけという格好。
利上げの次は、その資産の圧縮にはいるだろうと考えられます。そうすると世界に溢れたお金が逆回転をし始めるから、株価格は下押しされるものと考えられます。
「お金が余っているから・・・」という理由だけで投資されていたような企業や国なんかは大打撃も覚悟しておいた方がいいかもしれない。金余り経済の相場から、企業や国の実質的な成長力や経済力を反映した相場に戻るまでには結構時間がかかるかもしれないし、急激な変化が起こると耐えられない企業や国が出てくるかもしれない。ちょっと怖いね。
円安はもっともっと進む?
アメリカの利上げが行われると、ドルを欲しがる人が増えるため、ドル高円安は進むと考えられます。けれど、アメリカのFRBはしっかり市場との対話を進めているから、割と現在の為替相場水準は既に利上げを織り込んだ水準と言っていいのかもしれない。でも、ちょっとは進むよね。
アメリカの利上げと同時に日本の日銀政策もみておくべき。
日銀は、今後物価上昇率に弾みが付かなかった場合には、追加金融緩和をおこなうかもしれない。つまり、更に資産の買い入れ額を増やして、市場にお金を供給するかもしれない。すると更に、市場にお金が溢れかえる。結果、円が安くなるかも。今のところ、追加金融緩和はされない予定。
でも、前回はサプライズだったから、警戒をしておいて損はないかも。
アメリカ経済は本当に利上げができるくらい順調?
さてさて、アメリカ経済は利上げをしてもいけるくらい順調だよ、という前提でアメリカの利上げによって起こりうる事態を説明してきたけれど、アメリカ経済って本当に順調なんでしょうか。
雇用は順調? 数より質を見てみよう。
ざっくりいくと、雇用統計の雇用者数についてはまずますの回復が見られるものの、賃金の伸びが悪かったり、非正規職(パートタイム)の数が減らなかったりして、順調というには疑問符がつくものが多いのが現状。
昨日発表の雇用統計(6月分)では数も落ち込んでいたみたい。
サブプライム危機の再燃? 自動車に赤信号
信用力が低い人に向けた融資(サブプライムローン)が自動車ローンで増えているとのこと。前回のリーマンショックの引き金を引いたのもサブプライムローンでした。住宅のね。
と、まあこんな感じです。
まとめると、
アメリカで利上げが行われると、世界中に影響がある。株・為替・金利にも影響が出る。
でも、実際にアメリカが利上げを行えるくらい順調かは、ちょっと疑問。だから、すぐに利上げが行われるかどうかも、ちょっと疑問。一応、今年(2015年)中には利上げがあると今のところ判断されているから、みんな一応そんな心づもりをしておいてね☆
以上です。読んでくれた人ありがトン。