返済負担率について考えてみる。
銀行によって、審査項目は多少変わるものの、ほとんどの銀行が返済負担率を審査項目に加えています。
では、返済負担率とは一体なんでしょうか。
返済負担率とは?
収入に占める年間の返済額負担の割合を指します。
年収400万円の人が年間100万円を返済に回していたら、その人の返済率は25%ですね。
返済負担比率が30%の銀行であれば、年収400万円の人には、年間120万円の返済までの貸しつけを行うことができる、ということになります。
すでに年間100万円を返済に回していれば、残り貸せる金額は年間の返済額が20万円以内に収まる額までということになります。
返済負担率で最も多い率は?
平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書から。
1260行の回答によると、45%以内が42行。40%以内が29行。35%以内が48行。30%以内が24行。20%以内が5行。となっています。
一番多いのが35%以内。
45%以内ってすごいですね。どこの銀行だろう。
ちなみに同じ年収400万円でいくとすると。
返済負担率45%: 年間返済額180万円 月15万円 借入可能額4,821万円
返済負担率40%: 年間返済額160万円 月13.3万円 借入可能額4,275万円
返済負担率35%: 年間返済額140万円 月11.6万円 借入可能額3,728万円
返済負担率30%: 年間返済額120万円 月10万円 借入可能額3,214万円
*金利が1.6%の全期間で試算してあります。ボーナスなし。
金利が上がると、借入可能額の差はもっと開きます。
以上をみていただければわかるように、返済負担率が高いところのほうが、いっぱい貸してくれる。つまり、審査も緩めということができるでしょう。
返済負担率が高い銀行ってどこ?
残念ながら、内部情報なので開示されていません。
大体のところは、35%あたりとみておけばいいでしょう。
35%でも、年収400万円の人で3,728万円の借入ができるわけです。十分ではないでしょうか。
むしろ、大丈夫かな・・・ってなくらい・・・。
そして、返済負担率が高いところはおそらく金利も高いところが多いものと推測されます。
金利が高いと金利負担分を返済負担率に織り込む必要がありますからね。
返済負担率いっぱいまで借りられる?
それはなんとも。基準の一つなので。
あと、他の返済があれば、枠は埋まっていきます。
カードローンやカーローン、教育ローンなど、その他借入に対する年間の返済金額も返済負担率を見る際に加味されます。
その他借入に対する返済が年間20万円あった場合(年収400万円)
返済負担率35% 年間返済額140万円
うち、20万円は返済に充てられているため、残り120万円が実質負担できる額となり、住宅ローン借入は3,214万円まで、となる。
返済負担率で審査落ち?
返済負担率で一番多いところは35%だと言いました。
年収400万円で年間140万円の返済。
これって結構多いと思いませんか?
だって、月々11.6万円も返済に回すわけですよ。
で、そのうえ、健康保険やら、厚生年金やら給与天引きもあったりなんかして、結構な負担になることは間違いありません。
返済負担率で審査落ちするほど高額な物件は身の丈に合っていないと言えます。考え直しましょう。
「返済」の負担しかみてくれない。
マンションだったら、管理費や共益費などの毎月の出費は更にかさみます。
あと、固定資産税も発生しますね。それから地震保険は5年おきに再加入。
借入以外にかかる費用は自分で負担を計算する必要があります。教えてくれる銀行員がいたら、まあ、親切な方。
銀行は基本的には、「返せる額しか貸さないように」審査はします。が、結構ギリギリまで貸します。
賢く借入を行うことをお薦めします。
ということで以上!!