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元銀行員。子育てられ中。

イギリス国民が出した答えはEU離脱! 今後の影響は? まとめてみた。

イギリスがEUに残留するか、離脱するかの命運をわける国民投票が先日23日に行われました。

翌日開票の結果、離脱支持が51.9%。イギリスはEUと袂を分かつことに決めたことになります。
その結果を受けて、24日日経平均は終値で1286円安(1万4952円)、円相場は一時100円を突破し、99円となりました。

 
イギリスの離脱決定は各方面に様々な影響を及ぼすものと考えられます。ということで、まとめていきます。
 
 

広がる排外主義(ナショナリズム)。次はどこ?

イギリスがEU離脱を決めたことで、世界的に排外主義が広がることが予測されます。
つまり、移民排斥の動き、ですね。代表的なところで、フランスの極右の国民戦線ルペン氏、ドイツの民族主義政党「ドイツのための選択肢」、イタリア、スペイン、フィンランドでも、独立を訴える政治団体が支持を伸ばしています。そして、見落とせないのが、アメリカのトランプ氏。次の世界びっくりは、ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領になることかもしれません。
 
 

イギリスの離脱支持層とアメリカのトランプ支持層は同じ?

イギリスで離脱を支持する層と、アメリカでトランプ氏を支持する層は同じという見方があります。
ナショナリズムで扇動する、移民排斥、反グローバリズム…。
イギリスの今回の国民投票でも、事前見通しは「残留」の見方が多かったのですが、蓋を開けてみたら「離脱」。この構図は、この秋の米大統領選で同じように再現されることを覚悟しておく必要があるのではないでしょうか。
 
 

アメリカ利上げは年内ならず?

アメリカ利上げの有無は今回のイギリス国民投票にかかっていたといっても過言ではありません。(前回米雇用統計の数字は悪かったので過言かもしれません…)とにかく、イギリスのEU離脱で金融市場は大荒れの様相を呈していることですし、アメリカ利上げを年内に行うことは難しくなったと考える向きが主流となったと言えるでしょう。
 
 

日本の政治・経済に与える影響は?

昨日の株価は急落、円も高騰、となれば、7月10日に予定されている参院選に影響することが考えられます。週明けの市場への政権の対応次第…でしょうか。
経済的には、日本のGDPは0.1~1%押し下げると考えられています。円高による輸出企業の業績下振れ、イギリスに進出している日本企業の方針転換など、現時点では影響の大きさを具体的には推し量れないと考えられます。(イギリスとEUの交渉が今からスタートするため)市場の方向性についてはしばらく静観した方がいいのではないでしょうか。
 
 

世界政治の構図を変える可能性も?

アメリカはイギリスに対して、EU離脱への警告を発していました。アメリカとしてはEU成立の経緯で「イギリスを通じてEUを操ってやろうぜ」みたいな野望がありましたし、イギリスはEUにくっついていて欲しかったに違いないのですが、それが思うようにならず、今後の貿易交渉は問題含みです。
そんな中、考えられるのは、イギリスと中国の接近。イギリスは中国主導のAIIBに真っ先に手を上げるなど、以前から中国との関係性強化の芽があったところ、今後英米の距離が離れるに伴って、英中が急接近! なんてことになる可能性もなきにしもあらず。
今後の世界政治の構図にも注目したいところです。
 
 
今回のイギリスの国民投票の結果を受けて、イギリスはEU離脱に向けてEUと交渉に入ることになります。離脱派は「離脱するけど、EUからはいい条件を引き出せるだろう」なんて楽観的なことを言ったりもしていますが、実際にEUがイギリスに大幅に譲歩するようなことになると、他のEU加盟国の離脱派も「離脱しても大丈夫そうじゃん? じゃ、私らも抜けます!」ってことになりかねないので、強硬に行くことが予想されます。イギリス含むそのあたりの国の経済があんまり混乱しても困るし、かといって平穏無事に終われば、他の離脱派を勢いづかせる…ということで、なかなか複雑な状態であることは間違いありません。
 
今回の投票結果については、市場は事前に十分に情報を織り込んでいなかったため、大幅に急落することになりました。一部ではリーマンショック並みの衝撃、とも伝えられています。
今後の影響については、実際にイギリスがどのようにEUと交渉していくのか、その結果どうなるのか、まだまだ不透明なことが多く、それらが全部片付くまでは市場動向は読みにくいのではないでしょうか。
 
ということで以上です。
 
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