D'ac

元銀行員。子育てられ中。

2016年8月住宅ローン金利。更に過去最低! これが最後のチャンスになるかも!?

ぶっちゃけ、もう書き飽きたフレーズなのですが、住宅ローン金利、またまた過去最低を更新しました。(今年何度目…。)

 
10年固定最優遇
三菱東京UFJ銀行 0.50%(0.05%引き下げ)
みずほ銀行     0.65%(0.10%引き下げ)
三井住友信託銀行  0.35%(0.05%引き下げ)
三井住友銀行    0.70%(0.05%引き下げ)
りそな銀行     0.65%(0.05%引き下げ)

三井住友信託銀行は10年固定としての過去最低水準を再度更新。当然のことながら、変動金利水準を下回っています。
フラット35については、まだ発表されていませんが、おそらく過去最低を更新するのではないでしょうか。

 

2016年8月が住宅ローン金利過去最低を更新したのはなぜか。

先月、イギリスがEUを離脱するという決断をしたこと(国民投票の結果)はみなさん記憶に新しいのではないでしょうか。それ以降、世界経済の不透明性が高まり、そうなると当然高まる日銀の追加緩和期待。多くの人が「7月末の日銀金融政策決定会合では、日銀は何らかの追加緩和策を打ち出すはずだ」と予想していました。追加緩和策が行われる…。つまり、その連想から、株買いと債券買いが推し進められ、株高、低金利が追加緩和に先立って実現していたわけです。

つまり、世界経済への不安感が日銀の追加緩和期待を産み、追加緩和期待が株高・低金利を生み出した。結果として、8月の住宅ローン金利は再度引き下げられることになった、というわけです。

 

でも…。裏切られた追加緩和期待。

日銀の金融緩和として現状ありうるメニューは以下の3つ。
① 国債買い増し
② ETF買い増し
③ 金利引き下げ
29日発表になった金融政策メニューはこのうち、もっとも効果が少ないとされる②のETF買い増しだけ。
もっともインパクトが強いとされる③の金利引き下げは見送られました。
期待はずれに終わった金融緩和を受けて、金利は上昇。
翌月の住宅ローン金利水準の決定時期よりも、金融緩和の内容の発表が後であったため、今回の金融政策決定会合の結果は8月の住宅ローン金利には織り込まれていません。
緩和期待が先行したがための8月の金利引き下げということを頭に入れておきましょう。

 

これが最後の最低金利水準になるかもしれない。

8月は特に現状なにも金利が大幅に引き下げられるイベントは用意されていません。
つまり、このままでいくと、2016年9月の住宅ローン金利は上昇することが予想できるでしょう。
そして、9月には、再度日銀の金融政策決定会合があります。そこでは、現状の金融政策について見直しがされるのではないかと言われています。もし、マイナス金利の効果が薄いとして、マイナス金利が撤回された場合には、金利は大幅に上昇することになるでしょう。

またアメリカの利上げ観測も再び持ち上がっています。イギリスのEU離脱の世界経済への影響が今のところ軽微であったこと。アメリカ自体の経済が底堅いことが要因です。

となれば、ここが最後の最低金利水準となる可能性もあるわけです。

 

世界危機の芽は他にもあるけれど。

住宅ローン金利的には、金利は低い方がありがたいのですが、経済的には金利が緩やかな上昇局面にはいるのであれば、それにこしたことはありません。

ただ、今後もアメリカのトランプ大統領誕生の可能性や、テロ問題、欧州の難民問題など、政治の面からは経済に冷たい風が吹き続けることは想像に難くありません。そうなってくると、「過去最低金利実現!」と私が書き続ける羽目になることもありうるわけで。

 

今後の住宅ローンの方針は?

お勧めは、やはりフラット35で35年間固定してしまうことです。
変動金利水準と固定金利水準の差は大幅に縮まっています。その場合には、変動金利のメリットはほとんどないと言えるでしょう。

また、短期間で返済可能な場合には変動金利を従来お勧めしていたのですが、10年固定が変動金利を下回る現状では、10年以内の返済を見越している人は10年固定で借り入れしてしまうことをお勧めします。
住宅ローン減税を合わせると、年間の支払い金利よりも戻ってくる税金のほうがおおく(実質マイナス金利)することも可能なので、手元資金を大幅に残しつつ、借り入れをすることも戦略の一つとしてお勧めします。

 

以上。